マリーザ・モンチ

1967年7月1日、リオデジャネイロに生まれる。早くから音楽に興味を示し、子供時代にピアノやドラムのレッスンを受ける。オペラ歌唱をより深く研究するためにローマに留学したが、早くもその数ヶ月後には現代ブラジル音楽のプロダクションの方に興味が傾いていた。帰国後の1987年9月、リオデジャネイロのジャズマニアで行われた初めてのパフォーマンスで絶大な反響を受け、ブラジルの音楽シーンの新たなセンセーションを巻き起こした。地元の小劇場で数シーズン公演をソールド・アウトにしたマリーザは、ブラジルの他の都市でも公演を行うようになり大成功を収める。彼女はスタイルを熟成させ、若手ロック・ファンや、ジャズやブラジルのポピュラー音楽の大人のファン層の間でも急速に名を広めていった。1989年に『マリーザ・モンチ (Marisa Monte)』でデビュー。多種多様なジャンルとその優れた表現力は大きな話題となる。以後、数々のアルバムを発表し、その音楽のクオリティやパフォーマンスの高いクリエイティヴ性により、同世代随一のブラジル人シンガーとしての評価を確立し、世界的なキャリアを強固なものにしていった。日本での人気も絶大で、25年続く年間アルバム人気投票「ブラジル・ディスク大賞」では、リーダー作とトリバリスタス(アルナルド・アントゥニス、カルリーニョス・ブラウンとのユニット)のアルバムを合わせて、アーティスト別では最多の計5回、年間1位を獲得している。来日公演は1992年、2007年、2019年に行ない、名古屋公演には在日ブラジル人が大挙して押しかけ、本国さながらの大盛り上がりとなった。『マリーザ・モンチ (Marisa Monte)』(1989年)と『ローズ・アンド・チャコール(Verde, Anil, Amarelo, Cor-de-Rosa e Carvão) 』(1994年)の2作はローリング・ストーン誌の「ブラジル音楽史上最高のアルバム100作」に名を連ねており、2006年に発表した『私のまわりの宇宙(Universo ao Meu Redor)』ではラテン・グラミー賞を受賞。現在でもブラジルを代表する女性シンガー・ソングライターとして、世界的に活躍を続けている。