イエス

1968年、ロンドンでクリス・スクワイア (B)、ジョン・アンダーソン(Vo)を中心に結成されたプロレッシヴ・ロック・バンド。1970年代のプログレッシヴ・ロック・ブームを牽引、数々の名盤を生み出し、ピンク・フロイド、キング・クリムゾン、EL&P、ジェネシスと共に五大プログレ・バンドと呼ばれ、ロック史上に大きな影響を与えたバンドのひとつである。
代表作はアルバム『こわれもの』(1971年)、『危機』(1972年)、『ロンリー・ハート』(1983年)など。1985年度グラミー賞初受賞。2017年にはロックの殿堂入りを果たしている。2015年6月27日に唯一のオリジナル・メンバーだったクリス・スクワイアが急性骨髄性白血病により急逝。離合集散を繰り返しながら、他の巨大バンドと比べてもほとんど活動休止期間を持たずに今も現役で活動を続けている。

[イエスの近況]
2014年に21作目のオリジナル・アルバム『ヘヴン&アース』をリリース。このアルバムはスティーヴ・ハウ(g)とクリス・スクワイア(b)を中心に、アラン・ホワイト(ds)、ジェフ・ダウンズ(kbd)、ジョン・デイヴィソン(vo)という布陣で録音。2010年代は毎年アルバム完全再現ツアーを企画し、ツアー三昧の日々を送っていたイエスだったが、2015年6月27日に唯一のオリジナル・メンバーだったクリス・スクワイアが急性骨髄性白血病により急逝する。

その後かねてからサポート・メンバーとして帯同していたビリー・シャーウッド(b)があとを引き継いだ。同年ライヴ盤『“危機”&“こわれもの”完全再現ライヴ~ライヴ・イン・アリゾナ2014』をリリース。一連のアルバム再現ツアー(とライヴ盤)が高評価を得たこともあり、2016年に『海洋地形学の物語』や『ドラマ』の完全再現を含むツアーを各地で行っている。

しかしこのツアーの直前にアラン・ホワイトが腰痛を訴え戦線離脱、椎間板ヘルニアの手術を受けることになったため、ツアーにはエイジアやサーカへの参加経験のあるジェイ・シェレン(ds)がサポートし見事大役を果たしている。そしてその音源を収録したライヴ盤『海洋地形学の物語/ドラマ ライヴ・アクロス・アメリカ』が2017年にリリースされた。2017年春には3度目のノミネートにしてようやく“ロックの殿堂”入りを果たし、セレモニーでは久しぶりに現イエス(スティーヴ・ハウ、アラン・ホワイト)とARW(ジョン・アンダーソン、リック・ウェイクマン、トレヴァー・ラビン)が合体してステージに立った(ゲスト・ベーシストはラッシュのゲディ・リー)。

そして2018年にはバンド結成50周年を迎えたツアーを開始、新旧の代表曲を取り混ぜたセット・リストは大いに歓迎され、翌2019年2月には3年ぶりの来日公演も実現している。そのツアーから収録したライヴ盤『50周年記念ライヴ』が2019年夏にリリースされた。また秋にはイエスに一時期在籍していたオリヴァー・ウェイクマン(リック・ウェイクマンの息子)が中心となって2011年に制作されていたミニ・アルバム『From A Page』をリリース。

2020年には前年のロイヤル・アフェア・ツアーを収録した『The Royal Affair Tour: Live from Las Vegas』をリリースしており、いよいよオリジナル新作の登場となった。