UGK
テキサス州ポート・アーサーを拠点とする、ピンプ・C(Chad Butler)とバン・B(Bernard Freeman)から成るヒップホップ・デュオ。UGKとは“アンダーグラウンド・キングス”の略称。サウス・ヒップホップが盛り上がりをみせる遥か以前から南部のアンダーグラウンド・シーンを先導し続け、多くのアーティストからの絶大なるリスペクトを保ち続けている重鎮グループである。92年にJIVEからアルバム『Too Hard To Swallow』でメジャーデビューを果たすと、94年の『Super Tight』(全米R&B/HIPHOPチャート9位)、96年の『Ridin’Dirty』(全米R&B/HIPHOPチャート2位・全米チャート15位)、01年の『Dirty Money』(全米R&B/HIPHOPチャート2位・全米チャート18位)と常に安定したセールスを記録した。00年にジェイ・Zの「Big Pimpin」、スリー・6・マフィアの「Sippin’On Some Syrup」でフューチャーされたことがきっかけとなり、その名を全米に知らしめたのだが、03年にピンプ・Cが暴行罪などで服役したことでコンビとしての活動休止を余儀なくされてしまう。しかし、相棒バン・Bはピンプ・Cの投獄中もUGK名義で数々の客演をこなし、さらには獄中のピンプ・Cに”Free Pimp C!”とメッセージを叫び続け、多くの賛同を得ることとなった。その声援に応え、05年3月にピンプ・Cは獄中から未発表曲のソロ・デビュー・アルバム『The Sweet James Jones Stories』(全米R&B/Hip-Hopチャート7位)をリリースした。これを機に彼らはそれぞれソロとしてのキャリアをスタートさせることとなる。05年12月、バン・Bのソロ・アルバム『Trill』(全米R&B/HIPHOPチャート1位・全米アルバム・チャート6位)の50万枚という大ヒットに続き、翌年06年7月にはピンプ・Cも出所後にリリースしたアルバム『Pimpalation』(全米R&B/HIPHOPチャート1位・全米アルバム・チャート3位)で成功をおさめた。そして07年、遂に待望のコンビとしてのUGK復帰作『UGK:Underground Kingz』をリリースし、全米アルバム・チャートで念願の1位を獲得。輝かしい復活を遂げ、更なるUGKの活躍に全世界が注目した矢先、ピンプ・Cが33歳という若さで急逝、この突然の訃報はシーンに衝撃を与えた。08年のBETアワードでは最優秀グループ賞とアウトキャストをフィーチャーした「International Player's Anthem」で最優秀ビデオ賞をそれぞれ受賞。バン・Bは受賞時のスピーチで「UGKもピンプ・Cも永遠だ」と亡き友を偲んだコメントを残した。

今なおその死を惜しむ声が多い中、09年UGKの歴史の集大成とも呼べるラスト・アルバム『フォー・ライフ~UGKよ 永遠なれ』がいよいよリリースされる。