ホアキン・アチューカロ

 

ホアキン・アチューカロ(ピアノ)

 

「ピアノは打楽器です。しかし素晴らしいピアニストーーホアキンはその一人ですーーの手にかかれば、ピアノがレガートで弾かれ、ある音が次の音へとつながり発展していくようにきこえるのです。彼の作り出すサウンドは、今日ではほとんど耳にできない、個性的なものです。極めて稀なもので、耳にすればたちどころに彼だと判ります。」(サイモン・ラトル)

 

「私はこの音をルービンシュタインでしか聴いたことがない。」(ズービン・メータ)

 

シカゴ・サン・タイムズが「非の打ちどころのない芸術家」と絶賛した通り、ホアキン・アチューカロはその誰もが認める広範な音楽活動により、国内外で高い評価を得てきた。

 

1932年、スペイン・バスク地方のビルバオ生まれ。早くからスペイン、フランス、イタリア、スイスなどの国際コンクールで数々の賞を獲得。しかし本格的にプロとしての活動を始めることになったのは、1959年に英国で行われたリヴァプール国際コンクールで優勝後、ロンドン交響楽団とロイヤル・フェスティヴァル・ホールで共演を果たし、ロンドン各紙を大きく賑わせてからである。以来、着々と国際的な活動の幅を広げ、世界の檜舞台で演奏してきた。共演したオーケストラは200を超え、言うまでもなくスペイン国内の全てのオーケストラとも共演している。

 

2000年、その卓越した芸術上の功績が認められ「平和のためのユネスコ・アーティスト」に選出された。祖国スペインでも、芸術分野における「ゴールドメダル」、音楽分野における「ナショナル・アワード」など最も権威ある芸術賞の数々を受賞している。2003年、当時のスペイン国王フアン・カルロス1世より国家功労十字勲章を授与された。また、1997年、ビルバオ・グッゲンハイム美術館の開館記念式典では、2万5千人の観客と世界生中継で世界中の観客が注目する中、その演奏を披露した。

 

1989年8月より、米国ダラスにある南メソジスト大学の名誉教授に任命され、多忙なコンサートスケジュールの合間を縫いながら教鞭を執る。イタリア・シエナのキジアーナ音楽院名誉教授も務めている。

 

2008年、ダラス市の関係個人・団体により「ホアキン・アチューカロ財団」が創設され、その芸術上および教育上の功績を後世に伝え、前途ある若いピアニストを助成することを目指している。