ファビオ・ルイージ

 1959年、イタリアのジェノヴァ生まれの指揮者。パリでアルド・チッコリーニにピアノを学び、その後オーストリアのグラーツでミラン・ホルヴァートに指揮を学んだ。グラーツ劇場で研鑽を積んだのち、1987年にベルリン、ミュンヘン、ウィーンの国立歌劇場で指揮者デビューを果たした。この3歌劇場とはそれ以来密接な関係を保ち、数々の初演・再上演を行っている。ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団、スイス・ロマンド管弦楽団、ライプツィヒ放送交響楽団(MDR交響楽団)、ウィーン交響楽団、ザクセン州立歌劇場およびシュターツカペレ・ドレスデン、メトロポリタン歌劇場などの首席指揮者・音楽監督のポストを歴任。

 現在ダラス交響楽団音楽監督、チューリッヒ歌劇場音楽総監督(2020-21シーズンにて退任予定)、デンマーク国立交響楽団首席指揮者を務める。また2022年9月よりNHK交響楽団首席指揮者に就任予定。

 また、フィラデルフィア管弦楽団、クリーヴランド管弦楽団、NHK交響楽団、ミュンヘン・フィル、スカラ座管弦楽団、ロンドン交響楽団、コンセルトヘボウ管弦楽団、サイトウ・キネン・オーケストラなどに定期的に客演し、世界の主要オペラハウス・音楽祭にも登場している。

 メトロポリタン・オペラとの「ジークフリート」「神々の黄昏」の映像ソフトではグラミー賞を受賞。2013年にはイタリア音楽評論家協会より「フランコ・アッビアーティ賞」、2014年にはジェノヴァより「グリフォ・ドーロ賞」を授与されている。ウィーン交響楽団より「ブルックナー・リング」を授与されたほか、イタリア共和国功労勲章「カヴァリエーレ」およびイタリア連帯の星勲章「コメンダトーレ」を受章。