ベンヤミン・アップル

ベンヤミン・アップル(バリトン) 
BENJAMIN APPL


 1982年、ドイツ、レーゲンスブルク生まれのバリトン歌手。レーゲンスブルク大聖堂少年聖歌隊で歌い、ミュンヘン音楽演劇学校、ギルドホール音楽演劇学校で学び、ルドルフ・ピアメイにも師事。2009年、シュヴァルツェンベルクのシューベルティアーデでディートリヒ・フィッシャー=ディースカウに出会い、この大歌手が2012年に亡くなる2週間前までベルリンの自宅で教えを受け、文字通り「最後の弟子」となった。 2014年、英国BBCラジオ3「新しい世代のアーティストたち」、2016年 英国グラモフォン・アワード「ヤング・アーティスト・オブ・ザ・イヤー」受賞、ECHO(ヨーロッパ・コンサート・ホール機構)「ライジング・スター」に選出。また2015/16年シーズンの「ウィグモア・ホール旬のアーティスト」にも選ばれている。2015年夏、マリン・オルスップ指揮オーケストラ・オブ・ジ・エンライトンメントとの共演でブラームス「勝利の歌」を歌って、英プロムス音楽祭にデビュー。2017年12月、ドレスデン・フラウエン教会における「アドヴェント・コンサート」でクリスティアン・ティーレマン指揮シュターツカペレ・ドレスデンと共演し、ドイツのZDFでTV中継された。
 オペラではロンドンでの「フィガロの結婚」(伯爵)、オールドバラおよびブライトン音楽祭でのパーセル「ダイドーとエネアス」(エネアス)、バンフ音楽祭でのブリテン「オーウェン・ウィングレイヴ」(題名役)、ミュンヘン放送管との「ボエーム」(ショナール)などに出演。声楽曲では、バッハの「ヨハネ」「マタイ」両受難曲、マニフィカト、ヘンデル「メサイア」、ハイドン「天地創造」、ブラームス「ドイツ・レクイエム」、ブリテン「戦争レクイエム」などがある。リート歌手としては、カーネギー・ホール、ウィグモア・ホール、ホーヘネムス・シューベルト音楽祭、ラインガウ音楽祭、ハイデルベルクの春音楽祭、ルール・ピアノ音楽祭などに出演、常連のパートナーであるジェームズ・ベイリューのほか、グラハム・ジョンソン、マルコム・マーティノー、ヘルムート・ドイチュ、マルティン・シュタットフェルトらと共演している。
 録音にも積極的で、2015年に「詩人の恋」を中心に添えたハイネの詩による歌曲のアンソロジーを録音し、ソロ・アルバム・デビュー(英Champs Hill Records、2016年発売)。2015年のウィグモア・ホールでのオール・シューベルト・アーベントのライヴ録音も同ホール・ライヴ・レーベルから2016年に発売されている。そのほか、アン・マレイとのブラームス&メンデルスゾーン二重唱集、メンデルスゾーン(英Champs Hill Records)およびブラームスの歌曲全集(英Hyperion、2018年発売)録音にも参加。 2017年、ソニー・クラシカルと専属契約を結び、第1弾となる「魂の故郷」をリリース。2018年にはソニー・クラシカル第2弾でコンチェルト・ケルンとの共演となる「バッハ:アリア集」が発売されている。またゲーベル指揮バイエルン室内フィルハーモニーとのテレマン:オラトリオ「愛らしい平和よ、聖なる信仰よ」(世界初録音)のバリトン独唱も担っている(2017年発売、SICC-30436)。