アンドリス・ネルソンス&ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

 

アンドリス・ネルソンス

 アンドリス・ネルソンスがウィーン・フィルと共演したのは2010年10月のこと。その翌月の日本公演も含め、小澤征爾の代役としての登場だった。その後2012年11月からは定期的に招かれるようになり、定期公演への登場は2013年11月のこと。2017年3月からは2020年のベートーヴェン・イヤーを見越してのベートーヴェンの交響曲全曲演奏と録音が始まり、2019年3月に完結。同年秋にドイツ・グラモフォンから全集として発売され、2020年には世界各地でチクルス演奏が予定されている。2018年7月にはザルツブルク音楽祭の開幕公演でB.A.ツィンマーマンのトランペット協奏曲誰も知らない私の悩み」とマーラーの「復活」という組み合わせノプログラムを演奏して絶賛されている。

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 1978年11月18日、ソ連のラトヴィア共和国のリガで生まれた。父親は合唱指揮者・チェロ奏者で、母親はラトヴィアで初めての古楽アンサンブルを創設したという音楽一家であった。早くからピアノを学び、12歳の時からトランペットを学び始め、ラトヴィア国立歌劇場管弦楽団のトランペット奏者となった。その後サンクトペテルブルクでアレクサンドル・ティトフに指揮を学び、ネーメ・ヤルヴィ、ヨルマ・パヌラのマスタークラスに参加した。オスロ・フィルハーモニー管弦楽団で緊急のトランペット奏者の代役を務めた時にマリス・ヤンソンスの目に留まり、2002年からヤンソンスに指揮を学ぶことになった。ラトヴィア国立歌劇場音楽監督(2003~2007年)、北ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者(2006~2009年)、バーミンガム市交響楽団の音楽監督(2008~2015年)を歴任。この間の2009年10月、メトロポリタン歌劇場に《トゥーランドット》を指揮して、また2010年夏にはバイロイト音楽祭に「ローエングリン」を指揮してデビューし、2011年3月にカーネギーホールで初めてボストン交響楽団を指揮した。2012年夏にタングルウッド音楽祭にデビューし、2013年1月にはボストン・シンフォニー・ホールで初めて指揮をとり、2014/15年のシーズンからボストン交響楽団の音楽監督就任。また2017/18年のシーズンからは、2011年12月に初めて指揮したライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のカペルマイスター(楽長)に就任している。

 録音はバーンミンガム市交響楽団時代から残されており、バーミンガムではチャイコフスキーの交響曲やシュトラウスの交響詩チクルス(オルフェオ)、ボストン交響楽団とは自主レーベルからシベリウスの交響曲第2番やブラームスの交響曲全集などをリリースし、オペラ指揮者としての足跡はバイロイト音楽祭での「ローエングリン」、英国ロイヤル・オペラでの「ボエーム」の映像がソフト化されている。現在はドイツ・グラモフォンの専属として、ゲヴァントハウス管弦楽団とのブルックナー・チクルス、ボストン交響楽団とのショスタコーヴィチ・チクルスが進行中である。


オフィシャル・ホームページ andrisnelsons.com