デレク・トラックス・バンド
アメリカを代表するサザン・ブルース・バンド、ザ・オールマン・ブラザーズ・バンドのメンバーであり、ドラマーのブッチ・トラックスの甥でもあるデレック・トラックス。
米ローリング・ストーン誌が選ぶ「世界のギタリスト・ベスト100」に史上最年少でランクインした凄腕ギタリストは9才の時にギターを初めて手にするとその才能を一気に開花させ、12才の時には早くもオールマンやバディ・ガイなどと共演を果たすほどのギタリストになっていた。高校在学中に自分のバンドを結成、18才で初のリーダー・アルバムをリリースしている。2002年には通算3枚目となる、『ジョイフル・ノイズ』を米コロンビア契約第一弾アルバムとしてリリースしている。その後、2003年には『ソウル・セレナーデ』(録音は2000年)、さらに2004年に『ライヴ・アット・ザ・ジョージア・シアター』をリリース、2006年には実に4年ぶりとなる新作『ソングラインズ』を発表した。

天才的と言われる、デレックの切れ味鋭いスライド・ギターは、故デュエイン・オールマンの影響を強く受けているが、偉大なる先輩の模倣に終わるのではなく、コルトレーンなどといったジャズ・プレイヤーなど幅広い音楽性を取り込み、独自のスタイルを創り上げている。今となっては彼のギター・サウンドはオールマンの必要不可欠な要素となっている。2006年にはエリック・クラプトンのワールド・ツアー・メンバーにも選出され、ますます注目を集めている。

デレック・トラックス・バンドはデレックが中心となった5人編成のバンド(デレク・トラックス:ギター/コフィ・バーブリッジ:キーボード、フルート、ヴォーカル/トッド・スモーリー:ベース、ヴォーカル/ヨンリコ・スコット:ドラムス、パーカッション、ヴォーカル、マイク・マティソン:ヴォーカル)。この5人に準メンバーであるパーカッショニストのカウント・ムブトゥが加わり、デレックが長年思い描いたサウンドが完成した。サザン・ロックがベースとなっているオールマンとは対照的に、ブルースを中心にしながらもジャズ、ラテンなどあらゆるサウンドが奔放に入り乱れるエネルギー満開のサウンドを得意とする。