サー・コリン・デイヴィス
1927年9月25日イギリス、サリー州ウェイブリッジ生まれ。ロンドンの王立音楽院でクラリネットを学び、同音楽院の学生が組織していたカルマー管弦楽団を指揮。さらにこのオーケストラをもとに組織されたチェルシー・オペラ・グループの指揮者として1950年からモーツァルトなどのオペラを振った。1957年BBCスコティッシュ交響楽団の副指揮者となり、翌年にサドラーズ・ウェールズ・オペラ(現イギリス・ナショナル・オペラ)で本格的な指揮者としてのデビューを果たし、1961年には同オペラの音楽監督に就任する。1959年フィルハーモア管でクレンペラーの、1960年グラインドボーン音楽祭でビーチャムの、それぞれ代役をつとめて大きな注目を集め、1961-71年にはBBC交響楽団の首席指揮者をつとめた。その間メトロポリタン歌劇場で「ピーター・グライムス」、スカラ座で「ベンヴェヌート・チェルリーニ」を指揮して世界的名声を得る。1971年から1986年にはショルティの後任としてコヴェント・ガーデン王立歌劇場(ロイヤル・オペラ)の音楽監督としての重責を果たし、ビーチャム以来のイギリス最大の才能との高い評価を得る。1972年からボストン交響楽団、1975年からロンドン交響楽団の首席客演指揮者も兼務し、1977年にはバイロイト音楽祭で「タンホイザー」を振ってデビューを飾った。1980年にはサーに叙された。1983年から92年まで、それまでしばしば客演していたバイエルン放送交響楽団の音楽監督・首席指揮者に就任してドイツ音楽を中心とした幅広いレパートリーで活躍したほか、1990年には、これもしばしば客演していた名門ドレスデン・シュターツカペレから名誉指揮者の称号を贈られた。1995年からは古巣ロンドン交響楽団の首席指揮者となり、シベリウス・チクルス、ベルリオーズ・オデッセイ・チクルスなどで最円熟期の名演を聴かせている。98年からはアメリカ名門ニューヨーク・フィルハーモニックの首席客演指揮者もつとめ、まさに世界的な活躍を繰り広げている。