ピティ・パブロ
たった2年の間に、地元ノース・キャロライナのGreensvilleからNYに移り住み、MystikalのアルバムやBlack Robの「Whoa!」リミックスへの参加を経て、ようやく掴んだレコード・ディール。デビュー・アルバム「Diary of a Sinner: First Entry」が完成した終えた今こそ、世界がピティ・パブロを待ち望んでいる。



「アルバムに関しては何でも話すよ。“俺は15,000人を殺したんだ”とか“俺の車の値段がどのくらいで何台持っている”とかそんなことは歌わない。そんなのラップじゃない。俺は感じたことや信じていること、実際に経験したことやしたいと思うことだけを歌うのさ。真実だけ。そういった成し遂げたこと、信念、これからしようと思っていること、通り過ぎてきた現実が、俺独自のサウンドでワイルド聴こえるかもしれないけれど、それがある形、形式やファッションを作り上げるんだ」



ピティが最初に音楽に興味を持ち出したのは、小さいときに歌や芝居を学んだ教会や学校でのこと。もともとシンガーになることを夢見ていた彼だが、当時地元ノース・キャロライナの中学校の友達とラップを始めていた彼は、既にヒップホップの世界に憧れはじめていた。



将来を保証してくれるものは何も無かったが、ピティはついにノースへと旅立った。NYに到着したピティは、その弾力性と柔軟性を兼ね備え、音遊びの才能を持っていたおかげで、Busta Rhymes、Mystikal、Black Robなど知り合う機会を得た。



彼の人生を変えたのは、ある晩NYのクラブでBlack Robとチル・アウトしていた時の出来事。「トイレで歌っていたときにJiveのA&Rのヘッドが入ってきたんだ。確かRobとDoug E. Freshと、その他キッズがそこにはいた。そのA&Rが近寄ってきてサインしないかと言われたんだけれど、その時は"イヤだね"と断ったんだ。後になって奴が「Jiveに来ないか、君がやりたいことは何でもやらせてあげるよ」と言ってくれたんだ。



出てくる言葉は、Southern MCというシリアスなインダストリーまでも揺り動かしてしまう。伝説のスーパー・プロデューサー、Timbalandまでもが彼に会った途端にファンになってしまった。



「TimberlandはBlack Robの「Whoa! Remix」で既に俺を知って会いたがってくれたようだ」とピティは語った。「マイアミでMissyに会った時に“こちらがピティ・バブロよ”と紹介されて“君をずっと探していたんだよ”と言ったんだ。それからだよ、気がついたらこんな事になってたんだ」



そもそもピティは(Busta Rhyme率いる)Flipmode Squadのメンバー、と言っても過言ではない程彼らと近い関係にある事はあまり知られていない。結局実現することはなかったが、2人は今もいい関係を続けている。



Timberland, Prophecy (Bust Rhymes and Mobb Deep), Chucky Madness, Abnormal等のプロデューサーやピティ・パブロ自身の音楽によって、多くのヒップホップ・ファンは、間違いなくこの「Diary of a Sinner」に未だかつて耳にした事の無いような真実を描いたリリックを聴くことが出来るだろう。ピティのクセの強い、危険なまでのフロウから「Raise Up」「Fun Room」のようなダンス・フロア・アンセムが生まれ、彼の人生のリアルな世界までリスナーを引き込んでいく。「The Truth About Me」 〔ストリートライフに身を委ねなければならなかった母親のことを歌っている〕や「Test of My Faith」 〔人生で最も困難な時を乗り越えることについて話している〕のような曲を聴くと、自分の人生を隠し立てず、あくまでリアルさに徹するピティに魅了させることだろう。