ケイコ・リー
21才から独学でピアノを弾くようになり、ピアニストとして名古屋のクラブで歌手の伴奏を経験した後、徐々にシンガーへと転向。95年のデビュー作『イマジン』以来、ライブ盤・ベスト盤を含む23タイトルのアルバムをはじめ、ミニ・アルバム、DVDなど多くの作品をリリースしている。
存在感のあるヴォーカル・スタイルとディープなヴォイスが評判を呼び、共演したミュージシャンから「楽器と対等に渡り合える歌手」と注目を集め、「低音で深く胸に染み渡る歌声は、一度聴けば忘れることはない。」等、各紙で絶賛される。その即興性と瞬発力にすぐれたパフォーマンスの評価は高い。
幅広いファンを獲得する契機となったのは、2001年の日産ステージアCMソング「ウィ・ウイル・ロック・ユー」の大ヒット。翌年2月に発表した初のベスト・アルバム『ヴォイセズ』は累計25万枚の大ヒット作となった。このベスト盤は、人気男性デュオCHEMISTRYに提供し、堂珍嘉邦とデュエットした楽曲「星たちの距離」の英語バージョンを収録したことでも話題に。
2003年5月スイングジャーナル誌主催「日本ジャズメン読者人気投票」では女性ヴォーカル部門の第1位に加え、総合部門の頂点でもある「ジャズメン・オブ・ザ・イヤー」「アルバム・オブ・ザ・イヤー」の三冠を獲得した。09年5月には同人気投票女性ヴォーカル部門で堂々13年連続(トータル15回)の第1位に輝く。香港・台湾・韓国ほかアジアでも人気を博し、セールスも好調。人気・実力ともNo.1ジャズヴォーカリストとして国内外で人気を確立している。
近作としは、名曲ばかりをケイコ・リー・スタイルでしなやかに歌い上げた『ケイコ・リー・シングス・スーパー・スタンダーズ』(02年)、全曲オリジナルでメロディ・メイカーとしての才能を存分に発揮した『Vitamin K』(03年)、大ベテラン、ハンク・ジョーンズ(p)との共演ミニ・アルバム『バット・ビューティフル』や、初のDVD『ライブ・イン・トーキョー2003』など、旺盛な創作意欲を見せ続けている。ジャズの帝王マイルス・デイビスのレパートリーを集めた『フーズ・スクリーミン』(04年)は荒木経惟氏によるジャケット写真も注目を集めた。
アルバムデビュー10周年を迎えた2005年には、長年の活動を支えてきたファンの声を反映したベスト盤、『ヴォイセズ・アゲイン』をリリース。自ら日本語による作詞を手掛けた作品も発表。2006年ハンク・ジョーンズとの『ライブ・アット・ベイシー』はスイングジャーナル誌「日本ジャズ賞」に輝く。
2007年『イン・エッセンス』では久しぶりのNY録音を敢行。自らの青春を彩り音楽性のベースとなった洋楽の名曲をケイコ・リー流にカヴァーしている。
2008年3月ジャズのジャンルにとどまらないポップサイドベスト『Another Side Of Keiko Lee』、10月には『デライト』をリリース。
2009年CHEMISTRYの堂珍嘉邦と再度のコラボレーションが実現。その他CM、TVドラマ主題歌など、ますます幅広く活躍中。10月に『フラジャイル』をリリース。
2010年、アルバム『スムース』をリリース。
2011年、3枚目のベスト・アルバム『VOICESIII』をリリース。