ジェームズ・ゴールウェイ
サー・ジェームズ・ゴールウェイは,北アイルランドのベルファーストで生まれ,そこで幼いころ,初めての楽器,ペニー・ホイッスル(ブリキ製の小さな6穴横笛)をマスターした。彼の真剣な音楽訓練は,まずヴァイオリンのレッスンから始まったが,すぐにその楽器は諦め,フルートの方を好んだ。12歳のとき,1つのフルート・コンクールで一等を3つも獲得し(ジュニアの部,シニアの部,総合の部),音楽家として活動することを決心した。

 サー・ジェームズ・ゴールウェイは,まずいくつかのオーケストラでキャリアを重ね,ついには,指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンのもと,世界的に有数のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席フルート奏者に任命されることになった。しかし,1975年に,彼はソリストとして身を立てることに決めたのだった。後ろを振り返ることは決してなかった。

 今日,ゴールウェイは,古典の曲目の並ぶもののない解釈者として,また,そのカリスマ的魅力によってあらゆる音楽の国境を越える最高のエンターテイナーとして,国際的に認められている。独特の音色,すぐれた音楽感覚,目もくらむような名人芸などによって,彼は現代において最も尊敬を集め,引っ張りだこのアーティストの一人になっている。世界中への演奏旅行,RCAへの数多くのベストセラーのレコーディングおよびヴィデオ,そして度重なるテレビ出演を通して,彼は世界の広範で様々な聴衆に接し,新しい熱狂的なクラシック音楽ファンを作り出している。ゴールウェイのレパートリーは,バッハ,ヴィヴァルディから20世紀音楽,ジャズ,ポップス,伝統的なアイルランドの民謡にまで及んでいる。さらに彼は,現代作曲家への多数の作品の委嘱,そしてコンサートでの新作の紹介を通じて,フルートのためのレパートリーを広げ続けている。多くの業績と音楽による社会貢献が認められて,ゴールウェイは2001年6月にエリザベス女王からナイトの称号を授与された。