9/27発売! タワーレコード x "Sony Classical"究極のSA-CDハイブリッド・コレクション第3回発売 ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(全曲)/ジョージ・セル
タワーレコード x "Sony Classical"究極のSA-CDハイブリッド・コレクション
ドヴォルザークといえばセルーーーワイルドに、しかも緻密に、スラヴの憂愁と歓喜を歌いあげるアナログ時代の決定盤。
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲集(全曲)/ジョージ・セル
Dvorak: The Slavonic Dances / George Szell
■品番:SICC10249
■ハイブリッドディスク|SA‐CD層は2ch
■発売日: 2017年9月27日
■定価: ¥2,500+税
■音匠レーベル使用
■通常のプラスティック・ジュエルケース
■レーベル: Sony Classical
■日本独自企画 ・完全生産限定
■アナログ時代の決定盤、セルのスラヴ舞曲集
ジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団が文字通り絶頂期にあった1963~65年にかけて約3年がかりで収録されたドヴォルザークの「スラヴ舞曲集」。SP時代のターリヒ盤以来名演盤が多いこの曲集のアナログ・ステレオ時代における決定盤として、発売以来カタログから消えたことのない名盤です。ドヴォルザークの作品の中でも最もチェコの民族的色彩を色濃く帯びたこの16曲は、熱狂と哀愁とが絶妙に交錯する、それぞれが個性的な相貌を帯びた名品ぞろい。セルはそうした1曲1曲の個性を徹底的に掘り起こしながら、ダイナミックで躍動感あふれる演奏を成し遂げています。短いスパンの中での楽想の目まぐるしい変転に伴う緩急の付け方も絶妙ですが、決して野卑にならず気品と格調の高さが保たれているのはセルの矜持といえるでしょう。打楽器や木管のアクセントの付け方の意味深さ、随所におけるオーケストレーションの変更、各声部のポリフォニックな立体感の表出など、セルならではの名人芸が続出するさまは、痛快でさえあります。
■自分の血肉にも等しいドヴォルザーク
ハプスブルク帝国がまだハンガリーやチェコを内包していた時期に生まれたジョージ・セルにとって、ドヴォルザークの音楽は自分の血肉にも等しい重要なレパートリーでした。録音面でもすでにSP時代にチェコ・フィルと「新世界」交響曲やカザルスとのチェロ協奏曲を録音し、ドヴォルザーク音楽の権威の一人と目されていました。クリーヴランド管とは後期三大交響曲、ピアノ協奏曲、謝肉祭序曲などを録音していますが、その中でも最も優れた遺産と目されているのがスラヴ舞曲集といえるでしょう。SP時代再後期の1947年4月、つまりクリーヴランド管音楽監督着任後の最初のシーズンの終わり近くに5曲を録音しており、さらに1956年にモノラルで全16曲を再録音した上で、ステレオ時代になって3度目の、そして決定盤としての全曲録音を残したことになります。感情の起伏が目まぐるしいこの魅力的な12曲を、セルは完全に「自分の楽器」としていたクリーヴランド管弦楽団とともに、理想的な形で描き切っています。(この後、1970年4月、EMI/エンジェルに録音した交響曲第8番のフィルアップとして2曲を録音していますが、これがセルにとって生涯最後のセッション録音となりました。)
■オリジナルの編集と曲順が復活
この16曲のスラヴ舞曲集は当初「謝肉祭」序曲とのカップリングで、LP2枚組として発売されました。その後「謝肉祭」序曲を外してスラヴ舞曲集16曲だけLP1枚にリカットして再発売されましたが、その際繰り返しの一部がカットされ、さらにLPの内周歪みを考慮して曲順が一部変られていました。LP時代長らく親しまれていたのはこの形でしたが、今回は近年の再発CDと同様、初出通りの編集と曲順での復刻となります。
スラヴ舞曲集がLP1枚にまとめられた際のアメリカ盤のジャケット。1999年のSACDリングルレイヤーのパッケージにも使用されました。
■アナログ完成期の鮮明な「360サウンド」
このスラヴ舞曲集では、「360サウンド」を標榜した、コロンビアのアナログ完成期のステレオ録音ならではの左右に大きく広がる鮮烈なサウンドがセルとクリーヴランドの豪快かつ緻密な演奏を見事に捉えきっています。収録場所は1929年に完成し、1931年に開館したクリーヴランド管の本拠地であるセヴェランス・ホール。1844席を擁する名ホールで、ギリシャ新古典様式の外観とアールデコを思わせる優美な内観で、「アメリカで最も美しいコンサートホール」と称されてきました。1958年にセルのイニシアチブで全面的な改修が行なわれ、セルが施行する各パートの明晰さとヨーロッパ的ともいうべき暖かみのある適度な残響感を備え、録音にも適した会場となりました。セル&クリーヴランド管のコロンビア/EPICへのレコーディングは全てここで行なわれているため、演奏者のみならず、プロデューサーはポール・マイヤースとトーマス・フロストの2人が分担していますが、彼ら以下エンジニアも含むレコーディング・スタッフは会場の音響特性を知り尽くした状況下で進められた理想的なセッションでした。 スラヴ舞曲集作品46のアナログ・マスターの外箱。SWで始まる番号は3チャンネルの素材マスターであることを示しています。
■リマスターについて
定評ある名盤だけにLP時代は日本でも「ベスト・クラシック100」などのメイン・カタログに必ず収録されており、CD化もごく早く1984年に早くも「セル&クリーヴランドの芸術」シリーズの一環として実現しています(32DC209)。これはCDという新しいメディアをクラシック・ファンに普及させるきっかけとなったブルーノ・ワルター/コロンビア響の録音のCD化に続くCBSソニーの重要なプロジェクトの一つであり、当時CBSソニーの初期CDは、アナログ録音のCD化の場合は、いずれも「NEW REMIX MASTER」と銘打たれていることからもわかるように、日本からの要請で、アメリカ本国でオリジナルのアナログ・マルチ・マスターから新たにステレオ用にリミックスが行なわれた上で、デジタル化された旨が明記されています。LPからCDへの転換期であったため、このCD用の「ニュー・リミックス・マスター」が翌年4月のLP再発シリーズのプレスにも使われました。その後1999年にDSDリマスターが行なわれ、SACDシングルレイヤーでも発売されています(このDSDリマスターは2015年のThe Orginalsシリーズでの再発にも使われました)。今回は18年ぶりにオリジナルの3チャンネル・マスターからアンドレアス・K・マイヤーによってリミックスとDSDリマスターが行なわれることになります。
■ライナーノーツ(予定)
ジョージ・セル、大いに語る(生前のさまざまなインタビューより)
増田良介「セルの名盤、スラヴ舞曲集」
セル/クリーヴランド管弦楽団ドヴォルザーク演奏記録
セルによるドヴォルザーク作品ディスコグラフィ
曲目解説 アンドレアス・K・マイヤー「リマスタリングノート」 ほか
【収録曲】
ドヴォルザーク
スラヴ舞曲集 作品46
1.第1番ハ長調 作品46の1
2. 第2番ホ短調 作品46の2
3. 第3番ニ長調 作品46の3
4. 第4番ヘ長調 作品46の4
5. 第5番イ長調 作品46の5
6. 第6番変イ長調 作品46の6
7. 第7番ハ短調 作品46の7
8. 第8番ト短調 作品46の8
スラヴ舞曲集 作品72
9. 第1番ロ長調 作品72の1
10.第2番ホ短調 作品72の2
11.第3番ヘ長調 作品72の3
12.第4番変ニ長調 作品72の4
13.第5番変ロ短調 作品72の5
14.第6番変ロ長調 作品72の6
15.第7番ハ長調 作品72の7
16.第8番変イ長調 作品72の8
クリーヴランド管弦楽団
指揮:ジョージ・セル
[録音] 1963年1月4日&5日(1、3、10、15)、1965年1月22日(2、7、11、13、16)、1965年1月29日(4、5、9、14)、1964年10月17日(12)、1964年10月24日(6,8)、クリーヴランド、セヴェランス・ホール
[初出] M2S-726 (1965年、謝肉祭序曲とのカップリング)
[日本盤初出] SONC10154 (1970年1月)
[プロデューサー] ポール・マイヤース、トーマス・フロスト
[アナログ・トランスファー、リミックス、リマスタリング・エンジニア] アンドレアス・K・マイヤー(マイヤーメディアLLC)
■リマスタリング・エンジニア=アンドレアス・K・マイヤー(マイヤー・メディアLLC)
今回のリマスタリングを手掛けるのは、昨年のセルのベートーヴェン以来当シリーズのリマスタリングを一手に手掛けている、レコーディング・プロデューサーであり、レコーディングおよびリマスタリング・エンジニアであるアメリカ人のアンドレアス・K・マイヤーです。マイヤーはソニー・ミュージック・スタジオのエンジニアを長年務め、ジョシュア・ベル、ヨーヨー・マ、ニューヨーク・フィルなどのレコーディングに関わりつつ、SPから現代に至るさまざまな録音の復刻に携わってきました。特に近年はグレン・グールドの録音のリマスタリングに深く関わり、日本での「グレン・グールド紙ジャケット・コレクション」(2007年)、「グレン・グールド・リマスタード~ザ・コンプリート・ソニークラシカル・アルバム・コレクション」(2015年)には全面的に関わり、グールド・サウンドの新たなスタンダードを作り上げています。また「ウラディミール・ホロヴィッツ 未発表ライヴ・レコーディング1966-1983」、「グレイト・モーメンツ・アット・カーネギー・ホール」、さまざまなアーティストの「オリジナル・アルバム・コレクション」など、ソニー・クラシカルのさまざまなリイッシュー・プロジェクトの実現にはかかせないエンジニアです。
シリーズ・コンセプト ソニー・クラシカルおよびRCA Red Sealの歴史的名盤を、これまでのリマスターも含め最高のクオリティを追求し、ハイブリッドディスクとして「究極」の形でフィジカル・リイッシューする「タワーレコード "Sony Classical"究極のSA-CDハイブリッド・コレクション」。ソニー・クラシカル秘蔵のオリジナル・マスターに遡り、アンドレアス・K・マイヤーをはじめとする経験豊富な名手が復刻を手掛ける究極のコレクションです。