フールズ・ゴールド

フールズ・ゴールドはもともとダン・フォーゲルバーグのバック・バンドからスタートした。



1stアルバム「フールズ・ゴールド」は1976年にArista/Morning Skyから発表。イーグルスのグレン・フライ、ジョー・ウォルシュがプロデュースに参加したこともあり、そのアルバムは典型的な西海岸ポップを継承。ダン・フォーゲルバーグの作・共作があったり、イーグルスからもう1人、ドン・フェルダーもゲストに参加したり、話題は少なくなく、<Rain,Oh,Rain(邦題:雨に願いを)>が全米76位を記録、アルバムも最高100位を記録している。



そしてそのデビュー作に続く2枚目が本作「ミスター・ラッキー」だ。ここではプロデューサーがキース・オルセンに替わり、参加ミュージシャンもジェフ&マイク・ポーカロ兄弟、デヴィッド・ペイチといった、後のTOTOの面々、さらに、デヴィッド・フォスター、ビル・チャンプリンなど、いわゆるLAの腕自慢が大挙参加。1stで見られたカントリー・ロック色は最低限に減らされ、当時でいうシティ・ミュージック色、後でいうところのズバリ、AORフィーリングを醸し出しているのだった。





フールズ・ゴールドのオリジナル・メンバー4人は今から3年くらい前、LAはエンシノの高級住宅地にあるのトム・ケリーのホーム・パーティで再会。お互いの元気なところを確認しあったそうだ。ダグ・リヴィングストンはクラブでプレイしたり、あとは映画音楽の仕事もしているらしい。またロンもクラブに出演しているとのこと。そして何より興味深いのは、その時、トムとデニーで新曲を書き、デモ・テープまで作った、という話だ。また、デニーは現在、ソロ作用のマテリアルを書き貯め、これを自主レーベルでプレスし、インターネットでの販売を考えているそうだが、サウンド的にはフールズ・ゴールドの路線そのままらしく、ウエスト・コースト・ポップ+R&Bフレイヴァーになっているとのこと。