ブジュ・バントン
<文:松山晋也>
90年代以降のジャマイカ音楽シーンで最も影響力を持ち続けてきた一人、と言っていい。
86年のデビュー(わずか13歳!)以降しばらくは、アゲアゲのヒット曲を連発するやんちゃなダンスホールDJ
だったが、友人の射殺などを機に93年から急速にラスタファリズムに傾倒し、95年にはコンシャス・レゲエの金字塔『ティル・シャイロ』を発表、現在に至るまで、ルーツ&カルチャー・ムーヴメントを牽引してきた。
けっして巧みではないが、野太い声によるねっとりした節回しの人間臭さが、この時代、逆に説得力を持っている。
2000年にアンタイから出た『アンチェインド・スピリット』では、盟友ドノヴァン・ジャーメインやウェイン・ワンダーから、ヴェテラン歌手のベレス・ハモンド他、レゲエ界のスターたちが大挙参加。