ザ・ライフルズ
Joel Stoker / ジョエル・ストーカー: Vo/G

Luke Crowther / ルーク・クロウサー: G

Robb Pyne / ロブ・ パイン: B

Grant Marsh / グラント・マーシュ: Dr



 2003年、ギタリストのルークとシンガーのジョエルが、ジョエルとベーシストのロブが住むウォルサムストーと、ルークの住むケンティッシュ・タウンの間を行き来する毎日を送っていた時、同じ目的をもち、チンフォード生まれでDJとして「スラッシュ」というイベントをやっていた現ドラマーのグラントと出会う。



 「ネブワースでオアシスを見たとき、それが人生を変えた瞬間だった。あのインスピレーションと興奮。オアシスはオーディエンスを惹きつける力を持ってた。あんなエモーショナルな響きは今まで体験したことがなかったよ。バンドをやらなきゃいけないと思ったのは、それがきっかけだ」サングラスとアイボリーのシルク・スカーフを飾り立てた人当たりの良いギタリスト、ルークがそう語り、ジョエルが熱っぽく続ける。



 「あの時からオレ達はザ・ライフルズになった。その名前がぴったりだと思った。わかりやすいバンド名を求めていたから」



 完全な形となったザ・ライフルズが2004年1月にBull & Gateで行った最初のギグには大勢の観客が押し寄せ、ロンドンの生活にどっぷり浸かり、冬の暗い夜に煙たいパブで熱狂的なライヴを見たいと願っていた彼らと同じ気持ちを持つファン達の心をあっと言う間に鷲掴みにした。彼等のステージを早速『NME』が「長きに渡って人々の心に刻み付けられるに違いない」と評し、2005年になるとRadio1やXFMも2枚のシングル「ピース・アンド・クワイエット」「ホエン・アイム・アローン」を絶賛。ザ・ライフルズはロンドンの若者達の間に急速に広まっていった。



2005年10月、彼等の攻撃はさらに勢いを増す。Ian Broudie(ザ・コーラル、ザ・ズートンズ、サブウェイズ)のプロデュースによる、力強くパンクの影響を受けたシングル「ローカル・ボーイ」は、UKチャート最高36位を記録し、『NME』は「シャウトと怒りに満ちているがひどく音楽的。インナーシティのあざけりをファンタスティックにぶちまける。ザ・クラッシュに並ぶのはこれだけだ」と評した。



 2006年、レディングやリーズでの強烈なパフォーマンスに続いて、サブウェイズのサポートを務めながらUKツアーを敢行。3月にリリースされたシングル「リピーティド・オフェンダー」は、若いファンの支持をうけた「ローカル・ボーイ」に続き、プロデューサーのIan Broudieとのセッションで誕生した。ワイルドなエネルギーのなかに隠れたキャッチーなメロディを強調するために、バンドのガレージ・サウンドを手拍子やタンバリン、トレモロ・ギターも駆使されたこのシングルはUKチャートTOP30に入るヒットとなった。



 ロックバンドとして活動し始めたばかりだというのに、ザ・ライフルズにはすでに全部が備わっているようだ。ザ・キンクスからザ・スミス、ストリーツに受け継がれた英国ポップ界でもかなり重要な血統に、彼らはストリート・レベルでインスパイアされている。「ローカル・ボーイ」「リピーティド・オフェンダー」を経て、ザ・ライフルズは遂にデビュー・アルバム『ノー・ラヴ・ロスト』を完成させた。プロデューサーは同じくIan Broudie。シャープなヴォーカル、ねじれたリリック、力強いメロディ。みんなが求め、戻りたいと願う場所や空気、フィーリングを、ザ・ライフルズは呼び起こす。



 ザ・ライフルズ――野蛮な才能に溢れた4人の若者。ずっと心に刻み付ける価値がある。彼らには真の目的がある。