ザ・フージアーズ
 The Hoosiersは3ピースバンドだが、はじめから3人だったわけではなく3人目のメンバーを見つけるまでは2人組バンド、さらにその前は別々の活動をしていた。
ことの始まりはアーウィン(Vo&G)とアルフォンソ(Dr)の出会いから。

 イギリスのレディング地方のはずれでともに育った2人は、16歳という感受性の強い時期に想像もしないところで師匠と呼ぶべき人と出会う。それはアーウィンの化学の先生。彼はかつて70年代のポップグループであった、「Sailor(セイラー)」のドラマーであり、音楽知識に長けていた。2人はいろいろな音楽の話を先生から聞きだし、聴きあさり、やがてオリジナル曲を作ろうとした。
しかし先生は「まだ君達は経験が浅い。いろんなことを体験し、経験しなきゃ良い曲も良い詞も書けないし、伝わらないよ。」と忠告した。その言葉を受け止めた2人は親元からはなれ、多くの経験と刺激を求めてUSインディアナポリス大学へ留学をすることになる。
しかし、その期間は多くを必要としなかった。「中西部地方の生活を1年間堪能したら、もう十分だった。自分の中でスイッチが入り、地元に帰り、自分たちの中にある曲たちを吐き出さないといけないと思ったのさ。それもあるけど、大学から退学しろとも言われていたのさ。ロンドンで再スタートを切るためにも、イケてる音楽集団を結成しないといけなかったのさ」とアルフォンソは言う。

 ロンドンに戻った二人は野犬がエサを求めるようにベーシストを探し続け、当時スタジオのエンジニアをやっていたスウェーデン出身の元軍の消防士であるマーティン(B)と出会う。スタジオでのセッションで良い感触をつかんだ3人は、徐々にUKのクラブでライブを行うようになり、やがて活動拠点はUKを飛び出し、オスロ、フランス、ドイツとヨーロッパへと拡大、さまざまな国でライブを行った。現在のスタイルになるまでは自分達らしさを探すためいろいろな実験をしたようだ。
「僕たちは、常に他のジャンルやイメージに興味があるのさ。初期の僕たちのライブは、デジタルデザイン、映像、プログラム音楽など実験を重ねて、ごった返していたよ。」とマーティンは言う。
彼らの言う「Odd Pop(オッド・ポップ)というスタイルの原点がここにある。
奇抜なアイディア、奇妙なファッション・・・「変」が誰にも真似できないオリジナルに昇華してゆく。
作曲者として、バンドとして、パフォーマーとして経験をつんだアーウィンは強調する「未完成の人間には必ずテーマがあり、何かを探していて、その「何か」が自分を探してくれることを心待ちにしている。苦悩しながら手探りで探すんだ。僕達も含め多くの人間がそうして日々を過ごしている。そしてこのことは作曲にもアレンジにも演奏にも言えることで、だからこそ人に伝わる名曲が生まれたりするんじゃないかな。」

 UKデビューを果たした3ピースバンド、The Hoosiers。
1stシングル「Worried About Ray」は5位、2ndシングル「Goodbye Mr A」は4位、
そしてデビューアルバム「THE TRICK TO LIFE」は多くのファンから支持され、UKアルバムチャート初登場1位を獲得する。
2008年 春、全米でのでビューも決定し、そしてここ日本でもThe Hoosiersの全貌が明らかになる。