ザ・クーパー・テンプル・クロース
90年代終わり、レディングの同じ学校に通っていた悪ガキ・アウトロー6人が出会い、化学反応が生じた結果がこのザ・クーパー・テンプル・クロース。米オルタナ・ロックからジャズ、そしてエイフェックス・ツイン、ケミカル・ブラザーズ、ピンク・フロイド、ツェッペリン、クラッシュなど、とにかくボーダレスにあらゆる音楽から影響を受けた彼らは、カテゴリー化を全否定すべくバンドを結成し、2000年にRCAと契約。翌01年にはデビューEP「Hardware / Warfare」をリリースし、続くシングル「Film Maker / Been Training Dogs」で全英チャート入りを果たす。ここ日本でもフジ・ロックのレッド・マーキーにおける熱狂的パフォーマンスで多くのファンを一撃悩殺。02年には待望のデビュー・アルバム『シー・ディス・スルー・アンド・リーヴ』をリリース。その深い世界観とバンドのモットーでもあるジャンルを超越したパワーとスケール感によりファンからの絶対的な支持を得て、熱狂的支持者“クーパー・ヘッズ”をも生み出す。アルバム発売後はすぐに単独日本公演を敢行し、フジ・ロックにも2年連続の出演を果たす。そして03年、全英チャート初登場5位に輝いた2ndアルバム『キック・アップ・ザ・ファイア、アンド・レット・フレイムス・ブレイク・スルー』をリリースし、アーティストとしてもライヴ・バンドとしても飛躍的成長を遂げ(ザ・キュアーのUSツアーをサポート)、その絶対的な存在感を世に知らしめる。05年、留まることを知らない彼らの制作意欲により、リリース前から最高傑作と呼び名の高い3rdアルバム『Make This Your Own』のレコーディングを終了。プロデューサーにクリス・ヒューズ(Adam & The Ants, Lloyd Cole, Gene, Howard Jones, Paul McCartney, Robert Plant, Tears For Fears)を向かえ、音楽と精神の両面で成長を遂げた、新生クーパー・サウンドが創り出された。しかし、アルバム完成直後にベースのディズが突然脱退し、元リバティーンズのカール・バラート率いるダーティー・プリティ・シングスに加入。友好的な別れとはいえ、バンドにとってのダメージは少なくなかった。解散まで考えた残されたメンバー5人は、決意を新たにしその困難を乗り越え今年のフジ・ロック、しかもメインのグリーン・ステージにて、完全復活を見事に遂げた。彼らの新たな、そして何者にも追随しない、させない歴史がここから始まる…。