クウォート
カリブ海に浮かぶ島ハイチで生まれ、ニューヨーク州ロングアイランドとフロリダ州マイアミで育つという珍しいバックグラウンドを持つクウォートは、他のアーティストとは一線を画した音楽的芸術性を持ち合わせた非常に感性豊かで天才的なシンガー・シンガーソングライターである。

2つの仕事を掛けもちしていた祖母に育てられるという家庭環境もあり、幼い頃からいつもフリータイムには音楽を聴き、生活の全てが音楽に満ち溢れていたという。12歳のときに初めてペンを持ち独自の流れるようなリリックを書き始めると、本格的にシンガーになることを目指すようになる。プラチナムセールスを記録したラップ・スターであるトリーナを始め、Bad Boyの女性5人組R&Bグループのダニティ・ケイン、ポップ・レゲエアーティストのシャギーやウェイン・ワンダーなどと仕事をすることによってシンガーやソングライターになる為のキャリアを積んでいった。サム・クック、ビートルズ、マイケル・ジャクソン、レニー・クラヴィッツなどに影響を受けたというクウォートが目指すのは「ソウルに語りかけ、情熱や想像力をかき立たせるような新鮮かつ革新的な音楽の新しいラインを作りだすこと」なのだという。

ブレイクのきっかけとなったのはマイアミを代表する老舗インディーレーベル、Slip-N-Slide Recordsのスタジオでトリーナと仕事をした時のこと。トリーナのトラックを多く手掛けているプロデューサー・Final Cut Recordsのオーナー、スティーブ・オーバスにその類稀なる才能を評価され、遂にレーベル契約を結ぶことに成功する。Slip-N-Slide Recordsの最も新しいメンバーとなったクウォートを同レーベルのCEO、テッド・ルーカスも「レーベルの未来に貢献できる新人」と称し大きな期待を寄せている。全米R&B/ヒップホップ・チャートで初登場1位を記録したレーベルメイト、トリーナの新作『Still Da Baddest』の中では『Phone Sexx』でフィーチャリング参加を果たしており、その力強くも透きとおった歌声で存在感をアピールした。

07年Jive/Zomba Recordsと念願のメジャー契約が成立し、08年の夏にはデビュー・アルバムをリリースする予定だ。そこからのファースト・シングル「Don’t Wanna Fight」はテクニカルなサウンドの中にレゲエのテイストが盛り込まれ、まさにR&Bのネクスト・レベルを思わせる斬新な一曲に仕上がっている。