ソングライティングのキー・ポイントとは、それをいとも簡単なことのように見せることにある。微妙な空気中から言葉を選び出し、それを完璧なサビへとアレンジし、聴くものの耳に何年も残るようなフックと組み合わせるといったように。そんなリリシズムを、Mashonda Tifrere(マションダ・ティフレー)はティーンエージャーの時に習得しており、R&Bシンガーのニューフェイス陣を圧倒するような経歴を持ちながらも、ヒップホップ・シーンの“Behind Scene”(舞台裏)で暗躍していた。そう、これまでは。



マサチューセッツ州、ケンブリッジに生まれ、ハーレムで育った彼女は7歳の頃より教会にてヴォーカル・レッスンを始める。彼女の中に育まれていた音楽への愛を見逃さなかった代理母からの勧めで、ティーンエイジャー時期の大半をピアノのレッスン、そして作詞の勉強へと費やした。高校時代に複数のヴォーカル・グループへ参加し、多少注目を浴びることはあったものの、本当の意味で彼女のキャリアが軌道に乗り始めたのはヒップホップ・R&Bシーンで名高いライティング・チームであるFull Force(Backstreet BoysやBritney Spearsらとの仕事でも知られる)と出会ってからであろう。彼らに師事をしつつ、マションダはMichelle and Monifahらと共作を手掛け、その結果作家として出版契約をするに至った。そしてそのすぐ後に女性ラッパーのLady Mayとパートナーシップを組んだ彼女は、短命に終わってしまったものの、Deric "D Dot" Angeletti'のCrazy Cat/Columbia Recordと契約する。このドュオはアルバムリリース前に解散する結果となってしまうが、マションダはすぐに彼女のアイドルであったMary J. Blige, Sade, Faith Evans, and Toni Braxtonのように、ソロ・アーティストとしての道を歩み始めるのであった。



1998年、ヒップホップ界で最も影響力を持つビートメーカーの一人、Swizz Beatzがマションダの才能に目をつけ、Eveの"Gotta Man;"や、Jay-Z's "Girl's Best Friendといった、最近のUrban Music Historyの中でも最もキャッチーなフックを書くチャンスを彼女に与えた。彼はまた、Myaの "Best Of Me" や、 Cassidy'の"Get No Better."といったチャートの上位を賑わすヒット曲で彼女をフィーチャーした。彼らの関係のキー・ポイントは何かって?それは最も原始的な事:つまり、パーソナルな意味と、仕事的な意味での化学反応だ。“私達は、とても独特なサウンドをクリエイトすることができたの。”と、マションダは言う。“彼はグリッティーなサウンドを作り出し、私はそれを洗練させて、メロディーをより引き出す。私達がそれをしたとたん、皆それを欲しがったの。そんな感じで全てがスタートしたのよ“。以来、この二人は、Swizz BeatzのFull Surface/J Recordsからリリースされる長く待ち望まれた彼女のデビューアルバム、”January Joy“のコンセプトを構築していった。



“January Joy”は、ヒップホップのストリートっぽさとR&Bの柔らかな感性が見事に結合してできあがった、アップ・テンポ、ミッド・テンポ、そしてバラードの要素からなる、完璧主義者によるアートの混合作品である。“私にはタイムラインやデッドラインが無かったので、物凄く集中して、全てのトラックと全ての歌詞に対してよりこだわることができたわ“ マションダは言う。



リード・シングル、“Back Of The Club”は、Swizz Beatzの伝統(ハードなドラム、ベース、ホイッスル等)に基づいた、バウンシーなダンスフロアーを沸かせるトラックだ。そして、そこからJanyary Joyの持つ、輝きを垣間見ることができるのだ。参加アーティストには他にKanye West ("Hold Me"), Fat Joe ("Yeah, Yeah"), and Jadakiss ("Leave The Block Alone").といった、ヒップホップ界のヘビー級選手が予定されている。そしてアルバムをR&Bプロダクションに纏め上げているのは、Mike CityやRaphael Sadiqらである。“Januaryは私にとって、私自身、そして私のリスナーにとっての音楽の起源なの。” タイトルについて、マションダは語る。“(1月は)その年の初めの月で、みんなが新年の抱負を決める時よね。それはフレッシュなスタートであり、新しい気分を呼び起こすものであり、それが私の音楽なの。それに私もJanuary Bary(1月生まれ)だし“。そう加えて微笑む彼女。そう、そしてここにあるのは、まさに“新しい始まり”なのだ。