史上最高のソングライターの遺伝子を受け継ぐ男――ジェイムズ・マッカートニーが日本デビュー!
ビートルズの子供たちの共演も実現!ジョージ・ハリスンの息子ダニー・ハリスン参加「トゥー・ハード」収録。
ポール・マッカートニーの長男、英シンガー・ソングライター、ジェイムズ・マッカートニーの新作『ザ・ブラックベリー・トレイン』が日本ではソニー・ミュージックから2016年5月25日に発売されることが決定した。今作は2013年の『Me』以来3年ぶりとなるセカンド・アルバムであるが、日本盤のリリースは今回が初。ファースト・シングルの「トゥー・ハード」はアルバムのオープニングを飾る爽快でメロディアスなロック・チューン。この曲には、ジョージ・ハリスンの息子ダニー・ハリスンがギターとヴォーカルで参加、ビートルズの息子たちの共演が実現した。「この曲はLAで書いたんだ。無理しすぎてしまうことのやけくそ感をリアルに引き出すために、カントリー・ロック風の雰囲気を取り入れた。ダニー(・ハリスン)がスタジオに来てくれて、一緒にギター・ソロをコラボしたんだ」(James McCartney)。
●James Mccartney「Too Hard」
https://www.youtube.com/watch?v=ESa_c_PrUxM
『ザ・ブラックベリー・トレイン』は、ポップでキャッチーな「トゥー・ハード」で幕を開け、パワフルなロック・チューン「ユニコーン」、アンセミックな「ペヨーテ・コヨーテ」、ソウルフルなバラード「プレイヤー」、厳かでフォーキーな「ピース・アンド・スティルネス」、そして、亡き母リンダ・マッカートニーの想い出にインスピレーションを得た、非常にパーソナルな楽曲「ウォーター・フォール」など全11曲を収録(「ウォーター・フォール」とはジェイムズが一時期一人で暮らしていた、キンタイア岬のマッカートニー家所有の農場敷地内の「小さなまるい家」のことで、通称「ウォーター・フォール」と呼ばれていた)。アルバムのエンジニアにはニルヴァーナ、ザ・ピクシーズ、PJハーヴェイなどで有名なスティーヴ・アルビニを迎え、よりロック色の強いエッジの効いた多彩なサウンドを作り上げている。収録曲中最もステーヴ・アルビニらしい音ともいえる「ユニコーン」が、アルバムからの2曲目の音源として公開された。
●James McCartney「Unicorn」
https://www.youtube.com/watch?v=j1Tj8n0q6AY
カート・コバーン、ザ・スミス、レディオヘッド、PJハーヴェイ、ザ・キュアー、ザ・ビートルズ、ニール・ヤング、ジミ・ヘンドリックス、ハンク・ウィリアムスなど様々なミュージシャンたちにインスピレーションを得たというジェイムズはアルバムについてこう語る。
「すべてがひとつの進化になっている。この一連の楽曲は間違いなく前作よりも鋭い内容で、とにかく妥協をしなかった。音楽に前衛的でサイケデリックな要素を入れて、ほんの少しだけ神経を逆撫でするようなものにするのが好きなんだけど、最終的に大切なのは、できるだけ感情をさらけ出すこと。音楽がカタルシスをくれて、心から響いてきて、正直であることがすべてなんだ」。
幼いころからギターを弾き、17歳で曲を書き始め、父のアルバムにも参加した。しかし、世界で最も有名なミュージシャンでもある父親の後を継ぐという茨の道を歩むことを決めるまで、様々な葛藤があったと語っている。
「自分で自分にプレッシャーをかけながら成長してきたんだ。ビートルズのレガシーが、自分に音楽をやるようにとプレッシャーをかけているような気がしていた。音楽は昔から大好きだったし、家でもいつも自分の周りには音楽があったけど、他のことをやろうと思って、アートもやってみたし、家具も作ってみた。以前はビートルズの息子がミュージシャン、みたいな陳腐な存在にはなりたくなかったんだ」。
彼が本格的な音楽キャリアをスタートしたのは30歳をゆうに越えてから。最初は別名でプレイすることから始め、静かにキャリアをスタートさせた。自分も、自分の音楽も機が熟すまでミュージシャンとして下積みをする必要があると考え、「座ってボーっとしているんじゃなくて、自分の食いぶちは自分で稼ぎたいんだ」と語る。そして、その言葉通り、ビートルズがキャリアのスタート時にハンブルクのナイトクラブでタフな修業をしたときのように、2013年には、小さな会場で47日間で27回もの公演をアメリカで行なった。移動は数人で白のミニバンに乗って13,000マイル以上を走り、安いモーテルに宿泊した。「大切なのは音楽。車の方が安いからミニバンで回っていた。5つ星のホテルに泊まる必要もない。こうするのが理に適っているんだ」。その後もヨーロッパ、そして再びアメリカをくまなくツアーし続け、一周するごとに会場を大きくしていくという昔ながらの手法により、地道な努力を続けてきた。英デイリーメイル紙では彼のライヴをこう評している。「アンコールは熱狂的なスタンディング・オヴェーションに迎えられ、彼の実力を疑う者たちにとってすら、ジェイムズが生まれながらのパフォーマーであることは明らかであった。ポールの自信とカリスマ性を“遺伝子”によって引き継いでいるかの如く・・・」
ジェイムズは自分が置かれた立場も期待も充分にわかっている。しかし、「新しいポール」になるつもりはないし、偉大な父の恩恵に預かろうとも微塵も思っていない。地に足をつけて、地道に音楽活動を続け、心のままに自分の音楽を追求し、彼の音楽を聴いてくれるファンと真摯に向き合っていきたいと考えている。
「とにかくソングライターとして前進し続けて、努力し続けて、向上し続けていきたいんだ。人間としてもソングライターとしても可能性をフルに実現した手応えを感じたいと思う。たくさんの音楽を作って、アーティスティックにより深みを目指して努力すること――それが僕のゴールなんだ」。
アルバム『ザ・ブラックベリー・トレイン』の全米でのリリースは5月6日(日本発売5月25日)。その直後の5月10日から約1ヶ月半の間で36公演行なう全米ツアーも決定している。
全米ツアースケジュール
http://www.jamesmccartney.com/?cat=6
【BIOGRAPHY】
James Louis McCartney(ジェイムズ・ルイス・マッカートニー)。1977年9月12日ロンドン生まれの現在38歳。ポール・マッカートニーとリンダ・マッカートニーの長男。長女メアリーマッカートニー(カメラマン)、次女ステラ・マッカートニー(ファッション・デザイナー)の弟。生まれてから2歳まで、両親とともにウイングスのツアーに同行。17歳の頃から曲を書き始める。父ポールのアルバムには、1997年『フレイミング・パイ』、2001年『ドライヴィング・レイン』の一部に参加(『フレイミング・パイ』の「ヘヴン・オン・ア・サンデイ」ではギター・ソロを披露、『ドライヴィング・レイン』では「スピニング・オン・アン・アクシス」、「バック・イン・ザ・サンシャイン・アゲイン」を父ポールと共作している)。また1998年に亡くなった母リンダの死後に発表された彼女のソロ・アルバム『ワイド・プレイリー』にもギターで参加。2010年9月、EP『Available Light』でソロ・デビュー。2011年8月、2枚目のEP『Close At Hand』(6曲入り)を、2013年5月にはデビュー・アルバム『Me』をリリースした。2014年ポール・マッカートニーのトリビュート・アルバム『The Art Of McCartney』収録、ザ・キュアーによる「Hello Goodbye」にキーボード&ヴォーカルで参加。2015年12月2,10,17日にロンドンのThe Islington(ジ・イズリントン)で行なわれた3回のソールド・アウト・ショーで新作からの新曲を初披露している。2016年5月ニュー・アルバム『ブラックベリー・トレイン』をリリース。ジョン・レノンの息子ショーン・レノン(1975年10月9日生まれ)、ジョージ・ハリスンの息子ダニー・ハリスン(1978年8月1日生まれ)とは同世代。
【商品情報】
ジェイムズ・マッカートニー『ザ・ブラックベリー・トレイン』
James McCartney /The Blackberry Train
2016年5月25日発売 SICX47 \2200+税(海外発売5月6日)
解説:藤本国彦 歌詞・対訳付
収録曲:
1 Too Hard/トゥー・ハード
2 Unicorn/ユニコーン
3 Waterfall/ウォーターフォール
4 Paralysis/パラリシス
5 Ballerina/バレリーナ
6 Peyote Coyote/ペヨーテ・コヨーテ
7 Fantasy/ファンタジー
8 Alice/アリス
9 Ring a Ring O'Roses/リング・ア・リング・オ・ローゼズ
10 Prayer/プレイヤー
11 Peace and Stillness/ピース・アンド・スティルネス