グレース・ヴァンダーウォール

 

2004年1月15日生まれ、ニューヨーク州サファーン出身。3歳のころから、自分で歌を作って歌っていた。11歳でウクレレ演奏を始める。ウクレレはYoutubeを見て学んだ。本格的に作詞作曲を始めたのは、この2、3ヶ月後という。自宅から30分程離れたコーヒーショップ等で歌っていたことはあったが、番組に出演するまで、学校のほとんどの友達はグレースが歌うことを知らなかった。

2016年

2016年6月7日、米NBCテレビの大人気オーディション番組『アメリカズ・ゴット・タレント(第11シーズン)』の予選に出演、
弱冠12歳にして、オリジナル曲「I DON’T KNOW MY NAME」を自身のウクレレ伴奏で歌い、ゴールデンブザーを獲得する。
(ゴールデンブザー=審査員が1シーズンで1度きりしか使えないボタンで、一気に準々決勝への進出が決定する)。
ゴールデンブザーを押した審査員のホーウィー・マンデルは、グレースが演奏前に「奇跡はおきるもの」と言ったのになぞらえ「君こそが生ける美しき歩く奇跡だ!」と絶賛。また同じく審査員でワン・ダイレクションなどの大人気歌手の才能を見出してきた毒舌音楽プロデューサー、サイモン・コーウェルも「100%スター、彼女は特別だ」「君は未来のテイラー・スウィフトになる」と称えた。それはグレースの歌声だけでなく、“強い心“や“自分の意見を持っていること”といった堂々としたステージングも含め、そう称したという。

※感動のアメリカズ・ゴット・タレント初登場時の映像


https://www.youtube.com/watch?v=eNxO9MpQ2vA

この模様は瞬く間に全世界中で大きな話題を呼び、動画サイトで記録的な再生回数(7,000万回、2017年9月現在)を記録。2016年度のYouTube Rewind(再生数、シェア数、コメント数など様々な要素から、YouTubeが全世界から選定した2016年の動画トレンドランキングhttps://www.youtube.com/playlist?list=PLSTz8jpJdr5qbDTyWb1bTQOe9B9sL7trD)で第5位となった。このOA後、番組で披露された「I DON’T KNOW MY NAME」を始めとした彼女の曲は、世界中のファンにカバーされ、こちらも動画サイトに公開されて人気を呼んでいる。同年8月23日の準々決勝では、「BEAUTIFUL THING」と題した、自身の姉についての歌を歌う。続く8月30日の準決勝では「LIGHT THE SKY」、9月13日の決勝で「CLAY」を披露し、全て審査員の絶賛を受け、視聴者の投票により見事優勝を飾った。なお披露した曲は全て彼女の手によるオリジナル・ソング。自身の悩み、葛藤そして夢を反映した歌詞、優しくも激しさを伴うウクレレプレイ、時折、かすれるように裏返る特徴的な歌い方も、高音になったときの伸びやかな歌声も、全てが彼女の魅力だ。アメリカズ・ゴッド・タレント優勝後は、The Ellen Showなど大型TV番組に出演。トークなどでその愛くるしいキャラクターを垣間見せ、お茶の間の人気もさらに上昇した。

同年11月にデビュー・ミニアルバム『パーフェクトリー・インパーフェクト』をリリース。
本国では全米ビルボード・アルバムチャートにて初登場9位を獲得。若干12歳以下のポップ・アーティストのデビューアルバムがアルバムチャートTOP10入りするのは、マイケル・ジャクソン11歳時、ジャクソン5の1stアルバム『帰ってほしいの(1970年全米5位)』以来、46年ぶりの快挙となった(ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル調べ)。

また米国iTunes POPチャートではビヨンセ、アデル、ブルーノ・マーズ、レディー・ガガ、プリンスを抑え、堂々の1位を飾っている。
グーグルによる2016年に全世界で最も検索されたアーティストのランキングの7位にランクイン。ビヨンセ、コールドプレイなど多くのビッグアーティストがランクインするなか、堂々と名前を連ねた。

2017年

2017年に入ると、ますますその人気が加速。4月にはディズニー・チャンネル主催の「Radio Disney ミュージックアワード2017」で最優秀新人賞を受賞。このアワードはティーン・ポップのジャンルで活躍したアーティストを対象に、ファン投票で選ばれる話題の音楽賞。同アワードで受賞したアーティストの中でグレースがこれまでの史上最年少の記録となった。

5月には日本でも『パーフェクトリー・インパーフェクト』をリリース。翌月には待望の初来日も果たす。その愛くるしいキャラクターと歌声で日本のオーディエンスも魅了。数多くのメディア出演、インストアイベントなどで数多くのファンを獲得する。来日中には、『パーフェクトリー・インパーフェクト』のチャートも急上昇、Amazon(Rock、Pops、輸入盤)、iTunes(Pops)チャートで1位となった。

来日中に楽曲「オーバー・ザ・レインボー(虹の彼方に)」(「オズの魔法使」からのカバー曲。)をレコーディング。現在Honda NシリーズのCMソングとしてOA中。レコーディングの際、弱冠13歳ながらもその堂々としたパフォーマンスに関係者一同、衝撃を受けたという。

8月にはティーン・チョイス・アワードの新人賞も受賞。この賞は13歳以上20歳未満のティーンによる全米一般オンライン投票によって選ばれる。1999年に発足され、今年で19回目を数え、カテゴリーは映画、テレビ、音楽、スポーツなど多岐に渡っており、今アメリカのティーンの間で本当に人気のある映画やテレビ番組はどれなのか、最も支持されているスターは誰なのかが、如実に反映されるアワード。ティーンから絶大な支持を受けていることが、改めて明らかになった。

また大手モデル事務所「IMG MODELS」と契約。同事務所は、ジゼル・ブンチェン、ジジ・ハディッド、ベラ・ハディッド、アレッサンドラ・アンブロジオ、キャンディス・スワンポール、リリー・オルドリッジなど、一流モデルが多く所属している事務所。グレースは、IMG MODELSのツイートに反応する形で、「これ以上ないくらいに、光栄にそして興奮しています。将来起こることが待ち遠しいです」とツイート。モデル業という新たな“冒険”に期待を膨らませていることを明かしている。更に全米の若者を中心に人気を誇る、ジュエリー&アクセサリー小売店Charming Charlieとのコラボレーションも発表。ファッション・アイコンとしても注目されている。

さらに世界中のアーティストから多大なる評価を得ている楽器メーカー「フェンダー社」から、グレース独自のシグネチャー・ウクレレが発売され、同社の歴史上最年少(13歳)のシグネチャー・アーティストとなり、またウクレレのプレイヤーとしては初めてとなる。

※グレースのウクレレアドバイス映像

https://www.youtube.com/watch?v=JUIIV4NOsXM&feature=youtu.be 

11月に待望の1stフルアルバム『ジャスト・ザ・ビギニング』をリリース。全曲をグレース本人が手がけ、さらにイド・ズミシュラニー (ショーン・メンデス, カミラ・カベロ)、 キネティクス&ワン・ラヴ (ヘイリー・スタインフェルド)、グレッグ・ウェルズ(ケイティ・ペリー, アデル)、グレッグ・ワッテンバーグ (トレイン,フィリップス・フィリップス)、ショーン・ダグラス(チェインスモーカーズ、デミ・ロバート).など、多数の賞を受賞している名プロデューサーやライターも参加した作品は、全世界29カ国のiTunesチャートでTOP5入りを果たすという大ヒット作品となった。

アルバム発売直後には、緊急再来日を果たす。前回の来日から約5カ月という短いスパンにも関わらず、前回以上に多くのファンがグレースを迎え、イベント、プロモーション活動を行った。

大成功に終わった来日プロモーション。そのまま日本からLAに向かったグレース。それは大いなる賞の受賞のためであった。

12月1日にビルボード・ウーマン・ミュージック・アワードの新人賞受賞。このアワードはその年に最も輝いた女性スターや、各界の重役を表彰するもの。壇上でのグレースの涙ながらのスピーチは大きな感動を呼び、SNS上などでも大きな話題となった。

※スピーチ要約

「たくさんの美しい女性たちが今夜、このステージに上がり、すばらしい受賞スピーチを行いました。ものすごくインスパイアリングで、私がどれだけ神のご加護を受けているのかを気づかせてもくれます」

「でも、私はこの賞には相応しくない人間なんです。相応しい人が誰かは知っていますよ。私の両親、ファン、レーベルのみんな、そして私を全力で導いてくれるみんな。彼らに相応しい賞なんです」

※スピーチ映像。

新人賞受賞のスピーチ映像

https://www.youtube.com/watch?v=64IwG2xz0D4

2018年

激動の2017年が終わり、2018年最初の活動はファッションブランドの広告キャンペーンに初出演であった。出演したのは、世界的ファッションブランド「ケイト・スペード ニューヨーク」から発売される、タッチスクリーンスマートウォッチの新作キャンペーン。グラミー賞も受賞した、伝説のR&Bシンガー“チャカ・カーン”らとも共演。CM映像ではチャカ・カーンとチェリストのケルシー・ルー、そしてグレースの3人による軽妙なトークが展開され、大御所との共演にも、グレースの堂々とした態度が印象的な映像に仕上がった。

※ケイト・スペード ニューヨークCM映像

グレース・ヴァンダーウォール、チャカ・カーン、ケルシー・ルー 3人Ver

https://www.youtube.com/watch?v=ONT0OMwCkY0

グレース・ヴァンダーウォール ソロVer

https://www.youtube.com/watch?v=UymTVO_rC-I

そんなグレースの元に日本から吉報が届く。日本レコード協会が主催する「第32回 日本ゴールドディスク大賞」の “ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー(洋楽)”“ベスト3ニュー・アーティスト(洋楽)”の2部門を受賞することとなった。同賞は期間中のCDや音楽映像作品、有料音楽配信などの売上実績に基づき決定され、グレースは対象期間中に日本デビューした洋楽アーティストで、作品・楽曲の正味売上金額合計の上位3組のアーティスト“ベスト3ニュー・アーティスト(洋楽)”に、そしてその中でも作品・楽曲の正味売上金額の合計が最も多いアーティスト“ニュー・アーティスト・オブ・ザ・イヤー(洋楽)”に輝いた。この受賞を受け、本人は下記のコメントを寄せた。

※日本ゴールドディスク大賞受賞コメント

「どうもありがとうございます! I'm so excited to have won best new artist of the year international and best three new artists international. I love Japan and I love my fans!! I'm so honored to be presented with this award. Sending much love towards the awards, Japan, and my fans. Thank you!!!!!!!!!!!!」
(原文※冒頭の日本語も原文ママ)

「どうもありがとうございます。ニュー·アーティスト·オブ·ザ·イヤー賞とベスト3ニュー·アーティスト賞を受賞したことをとても嬉しく思います。日本が大好きで、日本のファンが大好きです!受賞できて本当に光栄です。こちらの賞、日本、そしてファンのみんなに愛を送ります!ありがとう!!!!」
(原文対訳) 

6月からイマジン・ドラゴンズとの大規模なツアー(全40公演)に加えて、初のヘッドライナー・ツアー“ジャスト・ザ・ビギニング・ツアー”も開催。全会場SOLD OUTという快挙を果たし、LIVEアーティストとしてもさらなる飛躍を遂げる。また初主演となるディズニー映画“スターガール”の撮影(2020年公開)を行い、演技の分野にも進出。ジェリー・スピネッリのベストセラーとなった若者向け小説の映画化であり、ディズニー社が立ち上げるストリーミング・サービスで初公開される、最初のオリジナル映画のひとつでもある。さまざまな変革を遂げた2018年となった。

2019年

2019年に入ると、これまでどおりのハイスクール・ライフも過ごすなか、人気バンド“フローレンス+ザ・マシーン”の『ハイ・アズ・ホープ』ツアーのサポート・アクトを務め、夏には自身二度目となる全米ヘッドライン・ツアー“ユアー・ソー・ビューティフル”(全27公演※⇒右写真は同ツアーより。)を敢行。昨年同様、全会場SOLD OUTとなる。各メディアもアーティスト活動を高評価、ニューヨーク・タイムズ紙は“ポップの申し子”とグレースを評し、ビルボード誌は“新世代のミュージックシーンを担う21歳以下の21人”の1人として、ビリー・アイリッシュやリズ・ナズ・Xらと共にグレースを選出するなど、常にその彼女独特の音楽性は注目を集めている。

11月には2年ぶりとなるアルバム作品『レターズ ヴォリューム1』を発表。同作品はこの年発表されたシングル「ユアー・ソー・ビューティフル」「ウェイスト・マイ・タイム」「アイ・ドント・ライク・ユー」の3曲、そして今作のために書き下ろされた新曲3曲を加えた、計6曲が収録されたミニ・アルバムとしてのリリースとなった。本人は今作について、「その時、その時に起こっていることを曲にしているだけです。たとえば、スタジオで目の前にあるナチョスとかについて歌ったりしている時、今のいい感じ、といったのがきっかけになって曲作りが始まる。だから、テーマを決めて曲作りやアルバム作りをするのは苦手。また自分では前より自己表現をする際に正直になっていると思います」と語っている。人生に真摯に向き合う15歳(当時)の姿がまっすぐに伝わってきて、思春期の記憶が蘇るだけでなく、魂が揺さぶられる作品に仕上がった。

2020年

 既に撮影が終了していた、本人が初主演となった映画「スターガール」が3月(日本でも6月にディズニー公式動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」にて公開)に遂に配信公開された。同作品は平凡で目立たない男子高校生リオが、グレースが演じる自由奔放な転校生“スターガール”と出会う。彼女の優しい型破りな振る舞いが、ふたりを、世界を、変えていく。ちょっぴり切ないハートウォーミング青春ストーリー。人間が持つ個性、優しさ、そして心強さを称える作品に仕上がっている。大ヒット映画「ラ・ラ・ランド」のプロデューサー、ジョーダン・ホロウィッツが製作総指揮と脚本を担当しているのも話題に。

日本での公開に、グレースは「やっと日本のファンのみんなが、スターガールに会って彼女とこのエキサイティングなアドベンチャーに旅立てることをとても楽しみにしています。世界のどこにいて、どんな言語を話そうと、誰にでも“スターガール”が自分の中に見つかるはずです。」と述べている。

自身の楽曲も作品内で使用。撮影中に本人によって制作され、ストーリーでも描かれている、両想いであることは明らかなのに、どう先に進めばいいのか分からないという、ティーンの微妙なもどかしさを巧みに表現した「トゥデイ・アンド・トゥモロー」や、ビーチボーイズの「ビー・トゥルー・トゥ・ユア・スクール」のウクレレカバーなどが聴くことが出来る。16歳になった現在、さらにその才能が成長し続けていることが、この作品内で垣間見える。これからもその活動は、我々を驚かすことになるだろう。