ザ・ヴェッセルズ
ザ・ヴェッセルズは極めて音楽的なバンドだ。スピーカーから流れ出すスィートなハーモニーの歌は瑞々しく、新しいと同時に、米英の伝統的なポップ,ロックのソングライティングに耳を傾け、耳に残った過去のギターの断片に味付けされていたりもする。

彼らのルーツはシンガーのポール・クックとドラマーのニール・カーリーが学生バンドを組んでいたサウスウエスト・ロンドンのキングストンにある。ベース・プレイヤーのスティーヴ・フレンドとギタープレイヤーのジェラルド・ギャノンを加えた2001年の中頃に、デモ・テープを作成。イメージメイカーの助言を受けることもなく、彼らはそのデモを送りまくった。業界の良くある話に反して、そのデモ・テープのパッケージは封を切られ、オフィスのステレオでヘヴィーローテーションされた。BMGが彼らと契約したがっていると知ったのは、そのすぐ後だ。

U2との契約から、ソングライターのジミー・ウェッブのコンパイルの仕事まで幅広く手がけるニック・スチュワートが、彼らをGRAVITY/BMGとの契約に導いた。そしてニックはTHE LA’S、TRAVIS、HAVEN、THE ICICLE WORKS、PAUL KELLYなどを手がけたMARK WALLISをプロデューサーに、彼らをスタジオに放り込んだ。

1stシングル「ドント・ウェイスト・ユア・タイム」は2002年の4月にリリースされる。ラジオへの出演などプロモーションをスタートさせ、その年の8月には「シー・ユア・ホーム・ストレイト/オータム・サウンド」の両A面シングルをリリース。そしてこの「ザ・ヴェッセルズ」でデビューを果たした。