ザ・パック
<L→R>

Lil Uno

Lil B

Young Stunna

Young L



サウスがヒップホップ/R&B界の最重要拠点として君臨し続けた2006年。しかしそのサウス発信の全国区ムーヴメントにさほど染まることもなく、独自のストリート・カルチャーが発達し、トラック1曲と引き換えに数百万円、数千万円のギャラを受け取るリッチなスター・プロデューサーもいない代わりに若い型破りな感性のトラックメイカー、MCによるオリジナリティー溢れる作品が次々と誕生する西海岸ベイ・エリア。このベイ・エリアを仕切る、オリジナル・ウェスト・コースト・ピンプ=トゥー・ショート(Too $hort)に見出され、全米デビューを果たすのが新人4人組=ザ・パック(メンバーは全員16~18歳)。ベイ・エリア固有のハイ・テンションなパーティー・ミュージック「ハイフィー」ムーヴメントを代表するグループのひとつとして位置づけられています(アーティスト自身はハイフィーにカテゴライズされることを真っ向から拒否していますが。。。)

事の始まりはシングル「VANS」。“VANS”はあのスニーカー・ブランドの“バンズ”です。某スニーカーブランド(ナ○キ)が圧倒勝利状態のアーバン・マーケットにむけて、今一度VANSの素晴らしさ(良心的価格設定、豊富なカラー・バリエーション、ヒモが無いので脱ぐのが楽など)を説き、「時代はVANS」と大胆不敵にアピール(特にVANSとタイアップ契約を結んでいる訳でもなく、あくまで自然発生な自主キャンペーンである点がビジネスに毒されておらず好感度大!)。ルーペ・フィアスコの台頭で改めて注目を集めているスケーター・ムーヴメントの西海岸版とでも形容すべき、いかにもベイ・エリアなストリート風景をユーモアたっぷりに描いたミュージック・ビデオも大きな話題に。このビデオが特に米の人気ウェブサイトでカルト的な人気を博し、まずYouTubeでは数ヶ月足らずで「VANS」ビデオとトレイラー(アーティスト紹介映像)が累計100万回以上のヒット数を記録。さらにMy Spaceへの訪問者累計は160万人以上、「Vans」のOA回数はなんと200万回以上。これは50セントやスヌープ・ドッグといった大物ラップ・スターに匹敵する数字だとか。その後2006年度のRolling Stone誌〈The 100 Best Songs of the Year〉でなんと!第5位に選出されたりもしました。この異常な盛り上がりを受けてまず2006年12月に「VANS」他計8曲を収録したデビュー・ミニ・アルバム『スケートボード・2・スクレイパー』を発表(日本盤2007年2月リリース)、そして遂に登場するのがデビュー・アルバム『ベースト・ボーイズ』!!今作でも収録曲の大半のプロデュースを務めるのはメンバーのYoung L。エレクトロ・ヒップホップ~ベース・ミュージックまで西海岸ゆかりの多彩な音楽スタイルを貪欲に吸収した彼の感性が創り出すインパクト大のトラックはとびきりポップでフレッシュな4人のマイク・リレーと共にザ・パック作品の大きな魅力のひとつといえます。