シンタックス
マイクは、Acid House系エレクトロニックバンドのアーティストとして活動している3人組Flukeのメンバーとして、90年代初頭から活動を続け、4枚のアルバム(Techno Rose of Blighty, Six Wheels on My Wagon, Oto, Risotto)をリリース。全英のチャートを賑わせていた。他のアーティストのリミックス(BjorkのBig Time SensualityはBjorkのベスト盤にも収録されている)をしたり、世界中をツアーで廻っていたりしたが、活動開始から7年目に次のステップに進む為、脱退。自身の音楽製作をしたり、映画音楽の制作、他アーティストのRemix等を行っていた。

そんな時97年頃共通の友人からJanを紹介される。出会った当時は、普通に会話した位だったのだが、数年後にやはりヴォーカルを入れた曲を作りたくなり、Janと作ってみる事にした。ロックバンドにいたという彼の声は最高で、意気投合。マイクのスタジオで毎晩のように酒を飲みながら楽曲制作に入る事となった。

その後2002年にプロモ盤でリリースされた「Pray」がUKの人気DJであるJohn Digweed, Pete Tong, Paul Oakenfold等によりHeavy Playされ、BBC Radio 1でも大量O.A.された事からヨーロッパ中のClub DJがこぞってプレイした。しかし、レコード屋で売られたアナログは、ホワイト盤で、あまり情報が載っていなかった為、Syntaxとは誰なんだ?とUKのDJ、クラバー達の間で大きな話題となった。その人気からこの曲はなんとUK シングル・チャートで初登場28位というこのジャンルにしては大ヒットをすることになる。なんと「Top Of The Pops」にも出演した。レコード会社は放っておく訳がなく、数社からオファーがあったのだが、Sony傘下であるUKのダンス系レーベルIllustrious Recordsと契約。このレーベルは、ダンス系では人気レーベルで、クリスタル・ウォーターズ、プラネット・ファンクなどが所属する。

契約後正式に「Pray」を再リリース。こちらのヴァージョンには、ジャンキーXLのRemixも収録された。そして2ndシングルとなる「Bliss」をのちにリリース。こちらはFelix Da HousecatのRemixが収録され、どちらの曲もアップビートで、クラブでは大ヒットを記録。

しかし本人達は、特にクラブ受けを狙った楽曲を作ったわけではないという。

ヴォーカル物なんで、どちらかというとライヴバンドとして活動して行きたいと語っている。アルバムを通して聞くと彼等の考えが良く分かる。

どの曲をとっても、クラブでも、バーでも自宅でも聞ける内容になっている。

本人達は、「クラブ好きでも、バンド好きでもなく、音楽好きに聴いてもらいたい」と語っている。大ヒットした「Pray」も「クラブでこんなにピックアップされるとは思わなかった。」と驚きを隠せない。

電気系の天才トラックメーカーは、Janの声を生かす為、どちらかと言えばロックよりの楽曲を多く制作したつもりであった。

しかし、Mikeのトラックを聴くとDJはクラブでプレイしたくなり、フロアにいる人達は自然と体が動いてしまうのである。

いくらクラブ寄りに作ったアルバムではないとMikeが言い張っても、UKのメディアは、新しいUnder Worldの誕生と書きたてた。