21世紀のヒップホップに西や東、南や北などのボーダーは関係ない!すでにユニバーサルな音楽として世界中に浸透しているのだ。そんなヒップホップ・シーンに新たに殴りこみをかけるのがフロリダ出身のラップ・デュオ、スマイルズ&サウススターだ。



まるで最上のフロリダ料理のように彼らはアンダーグラウンドのフレイバーとクロスオーバーなサビとを融合させ、地元オーランドでジープに乗りながら聴くのはもちろん、NYのクラブでもカリフォルニアでもヒップホップ・へッズたちを熱狂させるスタイルを確立している。デュオになる以前から2人はオーランドのアンダーグラウンド・シーンで一目置かれる存在であった。お互い地元の人気DJたちのミックステープなどでフリースタイルを披露したり、ジャ・ルール、ジェイダキッス、D12、ビートナッツ、モブ・ディープといったアーティストたちがオーランドでショーをした際のオープニングなどを努めたりしながらそのスキルを磨いていった。「お互いの噂は知っていて、あるときミックステープで一緒にラップをすることになったんだ。やってみたら最高のケミストリーだったのさ。」そう語る2人だが、デュオとして活動するきっかけとなったのはその数年後にオーランドを本拠地とするトランスコンティネンタル・レコーズのプロデューサー、ダカリ(O-タウン、LFO、95 サウスなどを手がけた)のアドバイスによるものだった。サウススターは言う。「その時にはお互い仲良くなってたんだ。一緒にフリースタイルしたり曲をつくったりしてみたらすごく相性がよくて、これだって感じだったね。」



NYのブロンクスで育ったスマイルズは幼いころからエンターテイナーを夢見ていたという。「母親が病院で働いていたんで入院している人たちのためにパフォーマンスしてたりしたんだ。」という彼は17歳のときに母親とともにオーランドに移住。「最初は気に入らなかった。でも結果的には引っ越してよかったよ。オーランドに来て演劇のクラスを取ったり、ライムを書く勉強をしたりしてたんだ。それでダカリと知り合ったのさ。最初は彼のもとでゴーストライターとかをするようになったんだ。」そうスマイルズは語る。



フィリピンとチャイニーズの血を引くサウススターはハワイに生まれLAで育った。LAの地震がきっかけで家族とニュー・ジャージーに移住、15歳のときにオーランドに移った。オーランドに移るとすぐにヒップホップに傾倒しはじめ、自分のMCとしての才能に気づきはじめたという。高校を卒業するとストリート・プロモーション/マーケティングをする会社に就職し、ヒップホップ・ビジネスを学んだ。「アトランティックやプライオリティといったレーべルのストリート・チームをやっていたんだ。そこでヒップホップのビジネスの面白みを学んだよ。その後自分でラップするってことにもっと真剣になったんだ。」というサウススターはヒップホップのビジネスを学んだがすごく役立っているという。「このビジネスはすごくハード・ワークだってことがわかったよ。ただライムしてればいって訳じゃないってね。」



そんな彼らのデビュー・アルバム『Crash The Party』からはまずファースト・シングルの「Who Wants This」がスマッシュ・ヒット、彼らの名前を一躍ひろめた。2003年になるとソウル・クラシックの定番「Stop、Look、Listen To Your Heart」をサンプリングし、ボーカルにビリー・ローレンスをフィーチャーしたセカンド・シングル「Tell Me」が全米チャートTop30に入る大ヒット。ヒップホップがボーダーレスであることを証明した。