Lil Bow Wow

14才のリル・バウ・ワウは、マイケル・ジャクソン以来最も成功し一大旋風を巻き起こした少年アーティストと言えるだろう。彼のデビュー・アルバム『Beware Of The Dog』はアメリカだけで200万枚以上を売り上げ、ファースト・シングル「Bounce With Me」はラップ、R&B両チャートで1位を記録した。バウ・ワウの2001スクリーム・ツアーは全米でソールド・アウト、ワシントンDCでは最初の公演が20分で売り切れた後急遽2公演が追加された。バウ・ワウはマドンナと共に2001年グラミー賞のオープニングを飾るパフォーマンスを披露し、その模様は由緒ある「ヴァニティ・フェア」誌の音楽特集にも掲載された。さらに、リル・バウ・ワウはナンバー・ワン・ヒットを記録した最年少ソロ・ラッパーとしてギネス世界記録にも登録されたのだ。



2作目『Doggy Bag』でも、バウ・ワウは指導者的存在のヒップホップ・スーパー・プロデューサー、ジャーメイン・デュプリとタッグを組んでいる。同作からのファースト・シングル「Thank You」は彼のファンに捧げた曲であり、今まで彼が受けとった愛とサポートに対する感謝の気持ちを表している。「こんな俺にしてくれてありがとう/ここまでこれたのもみんなのおかげさ/この業界で自分のやりたいことをやる機会を与えてくれてありがとう/毎日地元のラジオ局に俺の曲をリクエストしてくれたり/みんながいなけりゃ俺はここまで来れなかったよ」



『Doggy Bag』は他にもバウ・ワウの神童的なリリックのスキルを見せつけるパーティー・ジャムが満載である。ネプチューンズ作の「Take Ya Home」は彼らのトレードマークであるファンクに載せて、女性コーラスがバウ・ワウを礼讃する言葉を並べている。「Pick Of The Litter」はR.O.C.とティガを交えたポッセ・カットで、一人前の男達を相手に若いバウ・ワウが見事に渡り合う。ニュー・エディションのクラシック、「Candy Girl」を再構築した「All I Know」では、ファンはバウ・ワウの理想の女の子についてたっぷり知ることになるだろう。



若干6歳にしてスヌープ・ドッグと共に初めてステージに立った時から、バウ・ワウのキャリアには一向に陰る気配もない。クロニック・ツアーのオープニング・アクトとして契約した後、彼はスヌープのクラシック、『Doggystyle』にもゲスト参加を果たした。そして『Beware Of The Dog』が軌道に乗り始めると、バウ・ワウはイン・シンクのオープニングとしてステージに立った。そしてオハイオ州コロンバス出身の彼は今やレコーディング・アーティストとして大躍進中である。2002年6月には自身の子供服ブランド、「リル・バウ・ウェア」を創設予定である。そしてその同じ月には、マイケル・ジョーダンの対(つい)の役として、映画『Like Mike』でスクリーン・デビューを飾ることになっている。ここで彼は生きる伝説=ジョーダンと同じような素晴らしいバスケット・ボールの技術をもたらすスニーカーを見つけた少年役を演じる。



『ドギー・バッグ』で、彼は自分の倍の年齢のMCと同じようなリリカル・スキルを見せつけている。8歳であろうが80歳であろうが、バウ・ワウがヒップホップの最も才能あるパフォーマーの一員であることは間違いない。油断するなかれ。