デビュー30年アニヴァーサリー・リリース「シューマン:ファンタジー」9/27発売!
シューマン:ファンタジー
[2017年4月ベルリン・レコーディング]
仲道 郁代
■2017/9/27発売 ■定価 \3,000+税
■レーベル: RCA Red Seal ■品番 SICC-19008
ベルリン、イエス・キリスト教会でのレコーディング風景。両側のステンドグラス、薄緑色の可動式ベンチなど、60年代のカラヤン/ベルリン・フィルのセッション写真でお馴染みのもの。ピアノは教会の中央ではなく、若干右寄りに置くのがb-sharpによるレコーディングでの定位置。マイクは8本。
https://youtu.be/1LP9vuz7jNQ
■収録曲
シューマン
1 ロマンス 嬰ヘ長調 作品28の2
交響的練習曲 作品13
2 主題
3 練習曲I(変奏I)
4 練習曲II(変奏II)
5 練習曲III
6 練習曲IV(変奏III)
7 練習V(変奏IV)
8 練習曲VI(変奏V)
9 練習曲VII(変奏VI)
10 練習曲VIII(変奏VII)
11 練習曲IX
12 練習曲X(変奏VIII)
13 練習曲XI(変奏IX)
14 練習曲XII(フィナーレ)
幻想曲 ハ長調 作品17
15 第1楽章 どこまでも幻想的にかつ情熱的に演奏すること
16 第2楽章 中庸に。どこまでもエネルギッシュに
17 第3楽章 ゆるやかに演奏すること。どこまでも静けさをたもって
仲道郁代(ピアノ/スタインウェイ)
[録音]2017年4月18日~20日、ベルリン、イエス・キリスト教会(DSDレコーディング)
[プロデューサー]フィリップ・トラウゴット
[レコーディング・エンジニア]マーティン・キストナー、フィリップ・ネーデル(ベルリンb-sharp)
■30年の音楽活動を超えて、その先へ
1987年11月5日、昭和女子大学人見記念講堂でのソロ・リサイタル・デビュー以来、日本を代表する人気ピアニストとして日本の音楽シーンを走り続けている仲道郁代。2016年/17年シーズンをデビュー30周年アニヴァーサリー・シーズンと位置付け、名門ゲヴァントハウス四重奏団やハンガリー国立響との日本ツアー、東京文化会館でのオール・ショパン・プログラム、サントリー・ホールでの30周年記念リサイタルのほか、Hakujuホールにおける「ショパンへの道」やフィリア・ホールでの「いつもあなたとショパン」といったショパンの足跡を辿るチクルスなど、多彩かつ充実した音楽活動が続いています。夏は演劇とのコラボレーション「ショパンとブラームス~ロマン派症候群」、そして11月の東京文化会館での30周年記念オール・シューマン・プロ、全国6回のシリーズ「BSフジpresents ロマンティックなピアノ」など、重要な活動が目白押しです。
■演奏活動と並行して行なわれてきたレコーディング
その歩みはレコーディングとしても記録されており、RCAからのデビュー・アルバムの「シューマン:グランド・ソナタ&3つの間奏曲」は、まさに人見記念講堂でのデビュー・リサイタルとリンクする形で、リサイタルの約2週間前の同年10月21日に発売されています。それ以来、モーツァルトとベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲、ショパンとシューマンの主要ピアノ曲、パーヴォ・ヤルヴィ指揮ドイツ・カンマーフィルやカジミエシュ・コルト指揮ワルシャワ・フィルとの協奏曲、アメリカ在住の作曲家・田中カレンの作品集など、オリジナル・ソロ・アルバム36枚を発表してきました。昨年9月からの「30周年アニヴァーサリー・リリース」では、すでに「永遠のショパン」(2016年9月発売)、「ショパン・ライヴ・アット・サントリー・ホール」(2017年3月発売)を発売し、高い評価をいただいております。
仲道が使用しているシューマンの楽譜。クララ・シューマン編纂によるブライトコップフのシューマン全集の第2巻。
■シューマン・ワールドへの傾倒
仲道がレパートリーの中心に置いているのは、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ショパンという4人の作曲家のピアノ作品。デビュー以降、この4人の作曲家を軸にして演奏活動とレコーディングを行なってきました。この中でシューマンについては、1987年のデビュー・コンサートおよびデビュー・アルバムに含まれていたのが大作ピアノ・ソナタ第3番「グランド・ソナタ」であり、デビュー直後の数年間に仲道がピアニストとしての最初の評価を勝ち取ったのもシューマンのピアノ曲の数々だったこともあり、仲道の「音楽の故郷」とでもいうべき存在です。レコーディングでも、デビュー・アルバムに続き、2枚目で「謝肉祭」(1988年6月発売)、3枚目で「子供の情景&クライスレリアーナ」(1989年4月発売)と、立て続けにシューマン作品を録音しており、当時の熱中ぶりが伺えます。その後、フロール指揮フィルハーモニア管との共演でピアノ協奏曲(1994年9月発売)、1998年にはニューヨークでの初録音でシューマンを含むドイツ・ロマン派の小品を録音(「ロマンティック・メロディ」、1999年4月発売)し、シューマン・ワールドへの傾倒を示しています。
仲道初期レコーディングのシューマン・アルバム。左から1987年のデビュー盤であるシューマン「グランド・ソナタ」、1988年の「謝肉祭」、1989年の「子供の情景&クライスレリアーナ」、1994年のピアノ協奏曲。
■2017年、30年を経ての「音楽の故郷」への回帰
そして2017年4月、ベルリンでの3日間のレコーディング・セッション。シューマン作品が内包するロマンティシズムを情熱的に表出するピアニストとして高く評価されてきた仲道が、デビュー30年を機についに自らの「音楽の故郷」ともいうべきシューマンに戻ってきました。記念すべきアルバムのために選ばれたのは、仲道が長年録音を切望しながら果たせなかった「幻想曲」と「交響的練習曲」という大作2曲に、美しい佳品「ロマンス嬰ヘ長調」。極限まで拡大した破格の音楽構造の中に深いロマンティシズムが息づく「幻想曲」、主題と12の変奏という枠組みの中で多彩な技巧が追求される「交響的練習曲」と、いずれもシューマンが途方もない音楽的構想を注ぎ込んだ傑作です。
ベルリンのセッションでプロデューサーのフィリップ・トラウゴットと。コントロールルームには和紙製の提灯が下がっている。
■最高の環境で万全を期してレコーディング
レコーディングは、ベルリンのダーレム地区にあるイエス・キリスト教会において、3日間のセッションでじっくりと時間をかけて行なわれました。1932年に建立されたこの教会は、第2次大戦後からはドイツ・グラモフォンをはじめとするさまざまなレコード会社によるレコード録音、ベルリンRIASなどの放送局による放送録音のセッションが頻繁に行なわれるようになり、名盤・名録音として知られるフルトヴェングラー/ベルリン・フィルによるシューベルト「ザ・グレイト」やシューマンの交響曲第4番もここで制作されました。そして何といってもステレオ時代にカラヤンとベルリン・フィルが大量の録音を行なったことでレコード・ファンにもお馴染みの録音会場となりました。高い天井を持つ大きな空間を備えつつも、決して過剰な響きがつかず、ピアノ・ソロから大編成のオーケストラまで抜けの良い明晰なバランスで収録することが出来ます。1998年以来一貫して仲道のプロデュースを手掛けてきたフィリップ・トラウゴットが今回もプロデューサーをつとめ、ベルリンに本拠を置くb-sharpスタジオのテクノロジーをフルに生かして、深みのある美しい響きの中で、仲道郁代が30年を経て辿りついた深いファンタジーの世界を余すところなく収録しています。なお11月5日、東京文化会館小ホールにおいて、オール・シューマン・プログラムによる演奏会が予定されています。
11月5日(日)14:00 東京文化会館 小ホール
<デビュー30周年プロジェクトⅡ>
オール・シューマン・プログラム
<プログラム>
アベック変奏曲 Op.1、交響的練習曲 Op.13、幻想曲 ハ長調 Op.17
「3つのロマンス」から嬰へ長調 Op.28-2
全席指定 S席:6,000円 A席:5,000円 (税込)
お問い合わせ:ジャパン・アーツぴあ 03-5774-3040(完売)
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