7/31 ジョージ・セル空前の名演3タイトルが登場!20世紀のモーツァルト演奏の思潮を導いたセルのモーツァルト。タワーレコード x "Sony Classical" 究極のSA-CDハイブリッド・コレクション 第7回発売

2019.07.31

タワーレコード x "Sony Classical"究極のSA-CDハイブリッド・コレクション第7回発売
モーツァルト:交響曲第28・33・35・39~41番他/ジョージ・セル (3枚組)
Mozart: Symphonies No. 28, 33, 35, 39, 40 & 41, etc./George Szell  


■品番:SICC10270~2 ■ハイブリッドディスク3枚組|SA‐CD層は2ch

■発売日:2019年7月31日  ■定価:¥6,600+税  ■音匠レーベル使用
■各ディスクは通常のジュエルケースに封入し、三方背ボックスに収納
■レーベル: ony Classical   ■日本独自企画 ・完全生産限定
■世界初SA-CDハイブリッド化 ■初出:2019/6/19


20世紀のモーツァルト演奏の思潮を導いたセルのモーツァルト。 緻密を極めた至芸が、作曲家の魂の響きを蘇らせる。

■セルがクリーヴランド管弦楽団と1957年~1969年にかけてソニー・クラシカルに残した協奏曲と室内楽以外のLP約5枚分のステレオ録音によるモーツァルト作品(交響曲6曲・セレナード2曲・ディヴェルティメント1曲・序曲2曲)を3枚のディスクに盛り込みました。いずれも峻厳な美しさに貫かれ、特に後期の交響曲に見られる人生の深い淵を覗き見るような突きつめられた境地が、一部の隙も無駄もなく表現し尽くされています。ロマンティックな耽溺やドラマティックな誇張とは無縁で、筋肉質ともいえる引き締まった古典美の世界。セルのモーツァルト解釈は、20世紀前半のモーツァルト演奏で称揚されていたウィーン風の典雅な柔らかさを大切にするそれとは異にし、ひたすら虚飾を取り去って、作品の神髄に肉薄するもので、そこからモーツァルトの真の姿が見えてくるかのようです。


■『(セルは)理想のモーツァルト演奏を実現するために、あらゆる努力を怠らなかった。彼はモーツァルトを演奏するとき、通常の大編成ではなく、小さな編成で演奏するのが常だった。現在、これは当たり前になっているが、当時は必ずしもそうではなかったから、セルの方法は当時、先駆的とまでは言わずとも、先進的だったと言えるだろう。しかしさらに重要なのは、少人数といっても、団員がローテーションで演奏を担当するのではなく、オーディションでメンバーを選び、固定することで、いわば精鋭メンバーによるモーツァルト・オーケストラを作り、より高い演奏水準を確保しようとしたということだ。(・・・)第40番の第3楽章中間部で、セルははっきりとテンポを伸縮させて、この部分が、あるいはこの作品が、人間的な感情の発露であることを表現しようとしている。よりロマンティックな演奏をする指揮者と見なされているワルターやフルトヴェングラーでも、これほどはっきりとしたアゴーギクは付けていない。(・・・)セルの演奏は、完璧ではあったかもしれないが、不変のものではないし、人間的な感情を排除したものでもなかったのだ。』(増田良介、ライナーノーツより)


■40ページの別冊解説書 ライナーノーツ:①ジョージ・セルとの対話~指揮法の秘密を訊く/ポール・ヘンリー・ラング ②人間的な感情の発露~セルのモーツァルトの神髄/増田良介 ③セル/クリーヴランドの感銘(1970年)/西村弘 ④ジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団によるモーツァルト作品演奏記録 ⑤曲目解説 ⑥リマスタリング・ノート/アンドレアス・K・マイヤー 図版:日本公演プログラムの公演曲目ページ(1ページ)、クリーヴランド管弦楽団のプログラム冊子の公演曲目ページ(1ページ)を含む、13点掲載


[収録曲]
モーツァルト
DISC1
1.交響曲 第28番 ハ長調 K.200(189k)
2.交響曲 第33番 変ロ長調 K.319
3.交響曲 第35番 二長調 K.385 「ハフナー」
4.セレナード 第13番 ト長調 K.525 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」

DISC2
5.交響曲 第39番 変ホ長調 K.543
6.交響曲 第40番 ト短調 K.550
7.交響曲 第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」

DISC3
8.ディヴェルティメント 第2番 ニ長調 K.131(フルート、オーボエ、ファゴットと4つのホルンのための)
9.セレナード 第9番 ニ長調 K.320 「ポストホルン」
10.歌劇「フィガロの結婚」K.492序曲
11.歌劇「劇場支配人」K.486序曲


バーナード・エーデルスタイン(ポストホルン)(8)
モーリス・シャープ(フルート)、マーク・リフシェイ(オーボエ)、ジョージ・ゴスリー(ファゴット)、マイロン・ブルーム、ロイ・ワース、マーティン・モリス、エルナーニ・アンジェルッチ(ホルン)(以上、9)
クリーヴランド管弦楽団(1~8、10、11)
クリーヴランド管弦楽団のメンバー(9)
指揮:ジョージ・セル


[録音]1965年10月1日&2日(1)、1962年10月26日(2)、1960年1月8日&10日(3)、1968年10月7日(4)、1960年3月11日&12日(5)、1963年10月11日&25日(7)、1969年1月10日、18日&24日(8)、1963年4月20日(9)、1957年10月25日(10)、1966年1月28日&29日(11)、クリーヴランド、セヴェランス・ホール 1967年8月25日、ロンドン、セント・ジョンズ・ウッド、EMIスタジオ(6)
[オリジナル・プロデューサー]ポール・マイヤース(1、6、7、9)、ハワード・H・スコット(3、5)、アンドルー・カズディン(4、8)、不明2、(10、11) [アナログ・トランスファー、リミックス、リマスタリング・エンジニア] アンドレアス・K・マイヤー(マイヤーメディアLLC)


1969年1月、セヴェランス・ホールで録音されたモーツァルトのポストホルン・セレナードのオリジナル・アナログ・マスターの外箱。右下のJG/AFKは、担当のエンジニア/プロデューサーのイニシャルで、AFKはアンドルー・フェントン・カズディンのことである。




■リマスタリング・ノート
 ジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団は、コロンビア・レコードに数多くのモーツァルト作品の録音を行なった。しかし同時代のブルーノ・ワルター、オットー・クレンペラーやカール・ベームらと比べると、録音作品の選択が一見するとあまり網羅的ではないため、再発売に際してどのように組み合わせるのがよいのか頭を悩ませることになる。今回の3枚組は、コロンビアへのステレオ録音による、協奏曲・室内楽・声楽曲以外の作品、つまり交響曲と管弦楽曲を全て収録したものだ。
 オリジナル・マスターはほとんどが当時のアメリカのオーケストラ録音のスタンダードだった3トラックである。例外は、録音年代が1958年とやや早い「フィガロの結婚」序曲と、1967年8月、ヨーロッパ・ツアー中にロンドンのアビー・ロード・スタジオで録音された交響曲第40番の2曲が2トラック、1969年1月の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」が4トラックである。2トラックの2曲は、「録音年代が早い」、「ヨーロッパで録音された音源」と、それぞれ納得いく理由があるのだが、弦楽合奏曲の「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」に4トラックを当てているのは不思議である(しかも同時期に録音された「ポストホルン」は3トラックなのに!)。この曲でのトラックの割り振りも変則的で、L-C-Rのセンター・トラックにはヴィオラ・パートが当てられ、4つめのトラックには第2ヴァイオリンが当てられているのだ。もしかすると内声をよりクリアに収録したいというセルの希望があったのかもしれない。リミックスに当たっては、音が「中抜け」しないよう細心の注意を払いながら、センター・トラック(ヴィオラ)をやや右に移動させ、4つめのトラック(第2ヴァイオリン)をやや左に定位するように調整した。
 セルのモーツァルト録音はCD初期からカタログ化されていた。まず1980年代前半からLP発売と並行してCD化された名盤カタログ・シリーズ「Great Performances」(新聞の一面を思わせるシリーズ・デザインでカタログ番号がプリフィクスMYKで始まるタイトル)で再発され、その後セルのアーティスト写真とサインをあしらったアーティスト別のシリーズ(カタログ番号のプリフィクスはMK)でもCD化が継続(もしくはカップリング替えで再発売)された。その後セルの録音のCD化は、1990年代に始まる作曲家やテーマ別に編まれたソニー・クラシカル初のバジェット・プライス・シリーズであったEssential Classics(プリフィクスはSBK)で主に続けられた。これらCD初期のシリーズでのリマスターは、アナログ時代にコロンビアのプロデューサーだったハワード・スコットがデジタル化を手がけていた。今聴くとかなりシンプルなデジタル・リマスターであり、刺激的な高域や深みのない音色、アナログのコピーテープには付きもののヒスノイズやドロップアウトが耳につく。いちおう「リミックス」と謳われているので3トラックからリミックスしたと信じたいが、アナログ・テープの再生や修復にはあまり神経が払われていない可能性が高い。
 これらの初期CD以降、セルのモーツァルト録音がきちんとした形でリマスターされたのは、2006年に「オリジナル・ジャケット・コレクション」の一環でDSDリマスターされた10枚組のボックス「George Szell Plays and Conducts Mozart」(8287686793-2)である。ここにはレオン・フライシャー以外とのピアノ協奏曲とアイザック・スターンとのヴァイオリン協奏曲以外のセルの全てのモーツァルト録音が含まれており、交響曲第39番(1947年録音)・第40番(1955年録音)・第41番(1955年録音)のモノラル旧録音、ブダペスト四重奏団のメンバーとのピアノ四重奏曲2曲、ラファエル・ドゥルイアンとのヴァイオリン・ソナタ4曲も入っていた。当時のソニー・ミュージック・スタジオのチーフ・エンジニアだったリチャード・キングがメインの担当で、私もエンジニアとして参加しオリジナル・マスターのクオリティの高さを現実のものとして感じることができた。
 今回はそれ以来約13年ぶりに新しくリマスターすることになったわけであるが、過去のCDやCDマスターの一部も聴き比べつつスタジオでの仕事を進めた。オリジナル・マスターに刻み込まれた情報量と質をなるべく損なわずに、SA-CDという大容量のメディアに漏れなく盛り込むことができるよう、アナログ・テープの再生からリミックスのバランスにいたるまで、あらゆる段階で細心の注意を払った。それゆえ過去のCDと比較すると一聴したところの派手さは感じされないかもしれないが、耳を澄ましていただければオリジナル・マスターのダイナミック・レンジの広さ、鮮度の高さ、そして何よりもセルが気を配った精緻なオーケストラのバランスがこれまでよりも精細に再現されていることにお気づきになると思う。
アンドレアス・K・マイヤー

1967年8月、ヨーロッパの音楽祭を巡る楽旅中に、ロンドンのアビーロード・スタジオで録音されたモーツァルトの交響曲第40番のオリジナル・アナログ・マスターの外箱。イギリスで録音されたため、通常の3トラックではなく、2トラック・ステレオで収録された。右下のEM/PMは、担当のエンジニア/プロデューサーのイニシャルで、PMはポール・マイヤーズのことである。


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