シー・ロー
「ただみんなと違うってわけじゃない。あえて違うようにしているんだ。」



シー・ローが明白な真実だと主張すること。それは音楽には人々を啓蒙し楽しませ、教育し高める力があり、人間性を解放し祝福する力もあり、音楽こそが世界を動かしている、という事実である。その真実、そして彼からのうねるようなメッセージはこのセカンド・ソロ・アルバム『Cee-Lo Green…Is The Soul Machine』に強く反映されている。

彼は言う。「俺の作品には常に高潔さと実質が伴っているんだ。常にソウルがある。ソウルは人々を繋ぐコネクションであり、音楽は常にソウルから派生するものさ。だから俺はソウル・ミュージックをやっているんだ。自分のソウルそのものさ。いままでのソウル・ミュージックの先輩たちもそうだったように、同じスピリットによって動かされているんだ。俺はブラックのソウルそのもので、自分で自分を押さえられないんだ。」

アトランタをベースとするグループ、グッディー・モブ、そしてダンジョン・ファミリーのメンバーとして活躍してきたシー・ローは牧師の両親のもとで育てられた。幼い頃からカーティス・メイフィールドやマーヴィン・ゲイなどのソウル、さらにはジェームズ・クリーヴランドといったゴスペルを聴いて育った。やがて自分でも歌うことをはじめた彼は、ソウルに限らず、ファンカデリックからピンク・フロイド、デフ・レパードなど幅広い音楽に挑戦したという。さらにヒップホップ・カルチャーの洗礼を受けたシー・ローは地元のMCたちと活動をはじめ、ラッパーとしてのスキルも磨いていった。歌も歌えてラップもできる、そんな彼のスタイルはやがて地元で評判となりダンジョン・ファミリーへと引きあわされることとなる。

1993年ダンジョン・ファミリーに加入したシー・リーはダンジョン・ファミリーの中心的メンバー、リコ・ウェイドのもとでグッディー・モブのメンバーとなる。グッディ・モブとして3枚のアルバムをリリースした後の2001年、ソロ・アーティストとなりアルバム『Cee-Lo Green’s Perfect Imperfections』をリリース。従来のカテゴリーにとらわれないオルタナティヴな内容のこのアルバムは大絶賛を浴び、ソロ・アーティストとしてのシー・ローを確立した。

そして完成した待望のセカンド・アルバム『Cee-Lo Green…Is The Soul Machine』には彼自身がソングライト/プロデュースした楽曲に加え、ザ・ネプチューンズ、ティンバランド、DJプレミア、ジャジィ・フェイといった豪華プロデューサーによるトラックが収録され前作以上にヒップホップ/R&Bといったカテゴリーの境界線を超えた内容となっている。「俺はいつもヒップホップだけじゃなく、音楽全体を進化させることに挑戦しているんだ。踏みならされた道を歩くんじゃなくて自分で切り開いていくって気持ちで挑んでいる。」そうシー・ローは語る。

「もし前作を聴いて誤解した人がいるんだったら言っておくけど、俺はそんなに難しい人間じゃないよ。前作はとてもパーソナルな内容だったんだ。自分の持ち味や自分にどんな能力があるかを示すようなものだった。でも今回はもう自分の力を初めから証明する必要はない。みんな俺がシー・ローだって知っているからね。」そうシー・ローは語る。このアルバムでよりネクスト・レベルへと到達したシー・ローが型にはまるということは決してない。